ろごす 投稿者:ゆびきゅ 投稿日:07月09日(金)23時04分17秒 まずはじめに竜がいた。 彼らの調教師は怒れる自然、彼らの親は慈しむ自然だった。 彼らは言葉の反対側に住み、彼らは偶然を寝床とした。 竜でなきものが現れてから、彼らは欲するようになった 決してすべてではない、世界の変化を。 生命そのものを、起源の岬に残して。 まずはじめに竜がいた。 単純な出来事の両端を牙に結び付け、飽くることなく反復していた。 誕生から死への移行を、標的への追い風としていた。 人間は彼らを恐れ、理解し、漠たるしるしとした。 人間の眼差しが、青い竜を遠くに運び去った。 ことばそのものを、起源の岬に残して。