『テーマ館』 第16回テーマ「視線」



 悲しい予感  by にゃう



      「・・・ジッと見るより少し視点をはずしたほうが、それがよく見えるよ・・・」
      なんの話だったか、私をジッとみながら彼は言った。

      あなたの視線を感じている時間が、とてもとても楽しかった。
      うれしかった。幸せだった。このまま時が止まればいいと思った。
      でも、止まらなかった。

      そして、今、あなたの視点は少し動いている。
      私の事がクリアに見えているに違いない。
      もうすぐ彼の視線は別のひとへいってしまうだろう。
      −そんな予感の桜三月。

(03月03日(火)18時24分21秒)