「崩壊 −あるいは夢の幻−」 by NORA
制限時間は5分を切った。
「あっ」
小さく悲鳴を上げた時はもう遅い。
無情にもドミノは、パタパタと倒れていく。
「キャー! そこ止めて、止めて!」
相棒がヒステリックな声を上げた。
「わかってるって!」
倒れる前のドミノを3つ4つ弾いて横に押し出すと、どうにか将棋倒しはそこまでで止まる。
フッと息をつく。
まったくギャーギャーうるさい。でも時間もない。そんなことはわかってる。
「倒すのは最後だけでいいって言うんでしょ? わかってるよ」
「こんな途中で倒しちゃったら終わりなんだからね。最後よ、最後」
「わかってるってば」
「200万円がかかってるんだからね。途中で倒しちゃったら、ドミノと一緒に私たちの夢も崩壊よ」
「わかってる。大丈夫!」
足をちょっと踏みならしただけなのに、また1ヶ処パタパタと崩れだす。
「全然わかってない!」
残すところあと3分。
崩壊を免れることができるのか?
結果は神のみぞ知る。
(投稿日:05月05日(火)00時18分12秒)