「リクエストに応えられるわけないやん」 by ゆびきゅ
稲妻の穂先が、眼球から眼球を掃いて過ぎた。苦い果肉に立てた歯が、24時間の監視に抗議の
悲鳴をあげる。「彼」が暴力をふるう。魅せられた陰鬱な精神が、法廷の審理で熱弁をふるう。
阻止され続けた水路が、巨大な地下に光を通す。巨大な地下の世界。
「どうかしたの?泣いたりして」
「いいえ。何でもありません」
熱病患者のように赤くほてらせた頬に注ぎ込まれた息は、やがて接吻の跡もなまなましい大理石
の首に吹きつけられる。眼前にようやく現出した醜怪なもののけは、痛烈な嘲笑を浴びて悩まし
げに身をくねらす。血におののく仲裁者は去った。
(投稿日:05月14日(木)23時20分33秒)