金曜の夕方、曇りで夕日が見えず はなぶさ [2002/09/22 01:29:48] 海を見下ろしたら魚が私を見上げていた。魚は私を悲しそうな目をして見上げている ように見える。私はそんなに悲しい存在なのかと思っていると、その魚はどこかに逃 げて消えていった。 海を見に来たのは、特に訳があってのことでは無い。でも、なぜか寂しくなってしま い、近くの海岸に歩いて着てしまったのだ。曇った空のせいで、海も灰色になってし まっている。私の姿を映しても、その灰色が更に汚くなってしまうのかもしれないと 思いつつ、海を見下ろしたら、魚と目が合ってしまったというわけである。 魚が逃げてしまった後、私は自分の存在を悲しいと思ってくれた魚のことを考えた。 普段は魚のことを蔑んでいるのに、本当は魚から可愛そうだと思われていただけの 小さい存在なんだ。そう思ったら肩の力が抜けてきて、帰り道はちょっとだけ足取り が軽かった。そんな気がした。 戻る