輪郭 はなぶさ 黒い空を見上げて、満天の星をじっと見つめたとき、不意に光は橙に変化し、 私の体は地面へとめりこみ始めた。光が赤くなるころ、私の体は地面を突き 抜けて地球を横切る。自分の体がまるでニュートリノになった気分になりか けだ瞬間、友達が私の方を揺らす。私は私の体の輪郭を取り戻し、さっきま で酒を飲んでいた現実の回帰により、一人の人間に戻った。友達に感謝しな がら、心の旅の行き着く先への憧憬を捨て切れないで、家路を辿る。でも、 あの時友達に起こされなければ、寒い路上で命を賭けた旅に出ていたと思う とぞっとして、笑いが込み上げてきた。 「命の恩人だよ。お前は!」 <12月18日(木)01時10分12秒>