『テーマ館』 第13回テーマ「もしも・・・」
こういうネタって、ありがちですか? すぎ
「・・・今しかない」静夫は思った。 |「・・・今しかない」明子は思った。
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今まで静夫は、彼女と文通することしか| 今まで明子は、彼と文通することしか
できなかった。 |できなかった。
だが、静夫は、思い続けた。 | だが、明子は、思い続けた。
「もしも、彼女と話すことができれば・・|「もしも、彼と話すことができれば・・・」
・」 |
その思いが、叶ったのである。 | その思いが、叶ったのである。
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ともすれば、自分がしゃべったのかと間| ともすれば、自分がしゃべったことかと
違えそうになるような、彼女の声。 |間違えそうになるような、彼の声。
その声につられて、言葉を出すだけで、| その声につられて、言葉を出すだけで、
静夫は楽しかった。 |明子は楽しかった。
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だが、それでも会話が途切れることはあ| だが、それでも会話が途切れることはある。
る。それが、今。 |それが、今。
「告白するなら、今しかない」静夫は思っ|「告白するなら、今しかない」明子は思った。
た。 |
「とりあえず、何か言わなければ・・・」|「とりあえず、何か言わなければ・・・」
『あの・・・』
静夫が言った。でも、明子にはよくわからなかった。
明子も、ほぼ同じ瞬間に、同じ事を言おうと思っていたから、
それが自分の言ったことではないかと、錯覚したのである。
だが、明子は、すぐに気づいた。そして、なんだか急におかしくなって、
笑いはじめた。
それにつられて、静夫も笑いはじめた。
その笑い声は、声だけ聞いていれば、一人の人が笑っているかのようだった。
二人は、幸せだった。
「はぁぁ、どうでもいいから、早く終われよな」健児は思った。
健児は、その二人と同じ場所にいた。別に、二人の様子が見たいから、
というわけではなかった。
むしろ、見たくも聞きたくもなかった。
だが、目を閉じるわけにも、耳をふさぐわけにもいかなかった。二人が、
それを許さなかった。
その場から立ち去ることならできただろうが、そんなことをしてもまったく
意味がないのは、健児が一番よく知っていた。
「ったく、主である、この俺を差し置いてぇ〜〜〜!」
健児は思った。そして、それを声に出したかった。
がしかし、彼の「体」は今、笑っている。
健児は、やるせない気持ちになった。
「はぁ・・・。なんで、3つの人格が、いっぺんに出てきちゃったんだろう?」
<12月19日(金)16時47分54秒>