第49回テーマ館「無実」「おれは無実だ」



よくあるお話
 投稿日 2003年6月26日(木)15時30分 投稿者 Viva 



そのとき、家にはだれもいない・・・はずだった。
俺はいつもどおりの散歩を終え、家の前の道に差し掛かると
我が家の門扉が少しばかり開いているのが見えた。
鍵はかけていなかったが、門扉は確実に閉められていたはずだ。
不審に想い、足音を忍ばせて家へ近づく。
見慣れない足跡が、門扉から玄関のドアまで続いている。
降り続いた雨で土はぬかるみ、足跡は綺麗に残っている。
行きの足跡もあれば帰りの足跡もあった。
ということは侵入者はもう家にはいないはず。
意を決して門扉をくぐり、玄関まで足跡を踏まないように近づいた。
不安が胸をよぎる。
これは俺にあらぬ疑いを掛けられる予感がする・・・。
玄関を入るとそこには・・・
予感は的中した。
俺の目の前には惨劇の後が生々しく残っていた。
俺は呆然と立ち尽くした。
これは・・あいつの仕業だ!
こんなことをするのはライバルのあいつしかいない!!
敵意がこみ上げてきたが、どうすることもできない。
このままでは俺が疑われることに間違いはない・・。
だが逃げたところでその後の生活はどうなる?
脳みそはパニックを起し俺をその場に足止めさせている。
とにかく・・・なにか打つ手を考えるんだ!
その時。
家の前で話し声がした。
やばい!もう帰ってきた!!




「ただいまーー」
玄関のドアが開かれる。
「くさい!!あ!あんた人の靴の上にウンチしたわね!!」
俺は精一杯の愛想笑いを浮かべて「ニャー」と鳴くしかなかった。




今回のテーマ難しかったですぅ^^;

戻る