桃色☆百人斬 hiro [2007/07/12 23:56:01] 「ひと〜つ、人の世の生き血を啜り」 ズバッ 「ふた〜つ、不埒な悪行三昧」 ザクッカキンカキンズバズバズバ 「みっつ、醜い浮き世の鬼を退治てくれよう、桃太郎」 バサバサバサザクズバグシャ 「ひでぇな、こりゃ」 佐七は検分に訪れた屋敷の惨状に眉をひそめた。 ゆうに二十を超える死体があちこちに転がり、血の匂いが周囲に充満している。 「親分、やっぱりでさ」 「おうハチ、どうだった」 屋敷の奥から戻ってきたハチは結果を報告した。 「ここんとこ連続してる事件と同じで土蔵にも金目のものにも 全く手をつけた様子がありやせん。下手人は同じで間違いないですぜ」 「一族郎党皆殺し、これで五件目か。ううむ、金目当てじゃないとすると、 下手人の狙いはやはり人斬りか……物騒な世の中になりやがったな」 ハチは死体の山を横目で見て身を震わせた。 「親分、こんな事ができるのは人間じゃねえ。こいつぁきっと鬼の仕業でさ」 < 終 劇 > 戻る