第66回テーマ館「殺人鬼」



桃色☆百人斬 hiro [2007/07/12 23:56:01]


「ひと〜つ、人の世の生き血を啜り」
ズバッ
「ふた〜つ、不埒な悪行三昧」
ザクッカキンカキンズバズバズバ
「みっつ、醜い浮き世の鬼を退治てくれよう、桃太郎」
バサバサバサザクズバグシャ

「ひでぇな、こりゃ」
 佐七は検分に訪れた屋敷の惨状に眉をひそめた。
ゆうに二十を超える死体があちこちに転がり、血の匂いが周囲に充満している。
「親分、やっぱりでさ」
「おうハチ、どうだった」
 屋敷の奥から戻ってきたハチは結果を報告した。
「ここんとこ連続してる事件と同じで土蔵にも金目のものにも
全く手をつけた様子がありやせん。下手人は同じで間違いないですぜ」
「一族郎党皆殺し、これで五件目か。ううむ、金目当てじゃないとすると、
下手人の狙いはやはり人斬りか……物騒な世の中になりやがったな」
 ハチは死体の山を横目で見て身を震わせた。
「親分、こんな事ができるのは人間じゃねえ。こいつぁきっと鬼の仕業でさ」

    < 終 劇 >



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