第66回テーマ館「殺人鬼」



殺人社連合協会 2M [2007/07/26 13:07:54]


「ここかぁ・・・」
ビルが立ち並ぶ大都会の真中に、真っ黒なビルが聳え立ち、
入り口の右側には赤い文字の看板で『殺人社連合協会』と掛かれている。

この協会を知ったのは2日前。
普段はトラックの運転手をしていたのだが、
誤って、人を引いてしまい。
怖くなってその場から逃走してしまった。
所謂ひき逃げだ。
無我夢中でどこを走ったか覚えていないが、
たまたま立ち寄ったコンビニのポスターにこの協会の事が書いてあった。

真っ黒なビルの中に入ると、前面真っ黒で、所々血痕の後は見える
不気味な内装だった。匂いまで、なんとなく血なまぐさい感じがする。

「いらっしゃいませ!初めてご利用の方ですか?」
さわかなお姉さんが声をかけてきた。
「はい…あの?」
「ご入会希望でしょうか?当協会は無料で天国へ行けるサービスを行っております。」
「天国へ?」
「はい!簡単にシステムをご紹介しますね。どうぞこちらへ…」
お姉さんに連れられてロビーに置いてある椅子に案内された。

「それでは、システムをご紹介します。」
「は、はい。お願いします。」
「失礼ですが、何人ぐらいやられましたか?」
「やる?あぁ、一人です。トラックで…」
「あ!理由は結構ですので、一人ですね。」
「はい。」
「一人でも、殺人は殺人です。通常の場合天国への切符を失った事になります。」
「はぁ・・・」
「当協会では、ポイント制を引いておりまして。100ポイント溜まった時点で、
天国行きの切符を再度発行しております。ここまではよろしいですか?」
「えぇっと、ポイントとは?なんですか?」
「一人に付き1ポイントとなっています。従ってあなたは入会と同時に1ポイント
を持っている状態です。」
「え!つまりあと99人殺すんですか!!!!!!!!」
「いえ!その必要はありません、早ければ一人でOKです。」
「それは、どういう…」
「この協会内には、あなたと同様に殺人者が沢山住んでいます。
彼らもそれぞれにポイントを保有しており、
その殺人者をあなたが殺すことによって、
相手の方のポイントをそのままGETできる仕組みです。」
「つまり、殺人者同士で殺し合いをするんですか?」
「簡単に言えばそういう事です。中には、100ポイント以上溜まっている人もいます。」
「…自分が殺される可能性もあるという事ですよね…」
「はい!その通りです。まぁ、運がなかったとあきらめてください。」
「…」

「ご入会されますか?」
「いいえ…やめておきます。これから自首します。」

http://ameblo.jp/adl1124



戻る