ブランクメモリー はなぶさ [2009/05/05 02:04:14] 薄いピンクの桜の季節も、葉桜も気付かずに4月が過ぎていました。 若葉が美しく、木漏れ日が歩道に葉の影を映し出す頃になって やっと私は緑の深まりと、そこに至る季節の変化を知ることに なりました。 テレビ番組を途中から見て、冒頭のワンシーンを想像するという 切ない瞬間を味わいながら、決して戻れない季節と君との出会いを 思います。 気が付けば君はそこにいて、私と挨拶を交わします。 何がきっかけか、私には思い出せません。 出会いの感動も残っていません。 それが君と僕との始まりの心象です。 結果が支配する現在の二人を、周囲の緑が笑ってみています。 愛しい太陽の暖かさが私の後を押してくれます。 君が先を行き、私の心が後を追います。 体はそのあとです。 何も見えない細い糸が私を縛り始めます。 出会いも何も思い出せないことに無限を感じながら。 戻る