阻む者・取り除く者 紅 草希 2000/04/10 00:24:24 真夏日の下。暑い、暑い、暑い……。 学校へ行くだけの、大したことのない距離なのに。まるで蜃気楼のように、 汗で視界が歪む。 目の前をのんびり歩く暇人達。大勢で、道いっぱいに広がって、後ろのこ となど全く気にしていない。邪魔だ。邪魔でしかない。わたしの前を阻むな。 「もし、手に長槍があったら」 まっすぐに突き刺して、排除してしまおう。わたしの道を開けるのだ。 「もし、手に火炎放射器があれば」 跡形もなく燃やし尽くしてしまおう。 阻む者がなくなれば、どんなに爽快か。どんなに気持ちがいいのだろうか。 気持ちよく風を切って、暑さに苛立つこともない。なんて素晴らしいのだろ う。 「さあ、消してしまおう」