『テーマ館』 第32回テーマ「狂気」


狂い雨。 SOW・T・ROW 2000/04/19 12:35:22



      時は現代、場所は知らん!どっかの街のどっかの道だ。
      その日に降った降水量。何と、富士山標高並み。
      お天道様が狂ったか、バケツの水をぶちまけたような、そらぁとんでもねえ雨が降っていた。
      水は地面を覆い尽くし、足首までが沈んでる。
      そんな雨を歩くのは、これまた奇特な二人の女。女子高生のAとBだ。
      「っていうか、マジ雨スゴクない?」
      「うん。ほんと。スゲキレそぉ〜」
      「ルーズ気持ちワリーし、なんか変なの流れてるよ」
      「ほんとだ〜。あれ、犬じゃない?」
      「ほんとだ〜。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
      などと、でけえ声でくっちゃべり、狂ったように笑ってる。
      狂った雨に狂った女。こりゃ、お世辞にも気持ち良いとはいえねえなぁ。
      そんなこんなで時がすぎ、いつのまにか水嵩は、腰の所までに達してた。
      「アハハハハハハハハハ。スカート浮いてんじゃん!」
      「あ〜ほんとだ。くらげみて〜」
      「っていうか、マジ寒くない?」
      「うん。スゲキレそ〜」
      どこまで行ってもたわいのない、生産性のない会話。
      これじゃ、いつまでたったって、話にキリがありゃしねえ。
      そろそろオチをつけるとするかいな!!おこらねえで聞いてくんなぁ。
      「っていうか。今日、これ何?」
      「あれだよ。ウキって奴じゃん?」
      「ウキ?」
      「そう。雨の季節って奴」
      「ああ、今日雨季なんだ」
      今日雨季  きょううき  きょう き  きょうき  狂気・・・・・・。

      お後が宜しいようで・・・・・・。