第50回テーマ館「記念」



星を道しるべに ティティ・ベニー☆ [2003/08/25 15:37:46]


夜 晴れた日に 空を見上げれば
きっと 星が 見えるでしょ
あの夜みたいに・・・。

あの夜
私とあなたが 出会った夜
「ねぇ、散歩?」
あなたは 声を かけたでしょ
ひとり 土手で 泣いてた私に
私 なにも 答えなかった
ただただ むしょうに 悲しくて

「いいよ、泣きなよ、好きなだけ。」
あなたは 言って くれたでしょ
母親 亡くし 泣いてた私に
目では なみだ きらきら光る
上では お星が 光ってる

あの日 あの時 たくさん話し
毎日 毎日 あなたと会った
けれど あなたは 突然言ったね?
「ぼくは、この町出て行くよ。」
って。

名前も 年も 知らないあなた
わかるのは ただ 顔と 声と 男という事
私 さみしいよ?
私 会いに行くよ?

ふらっと 家を出たのは
私達が 初めて会った日
ちょうど一年

毎日 毎日 さ迷い歩く
そのうち 服もすりきれて
くつは ぬぎすて かみふりみだし
もうだれも 私とわからない

毎日 毎日 さ迷い歩き
初めて会った日 また近づいた

満天の星空
あの夜みたい
天の川をたどって 町を進む
上ばかり見上げて

「あ!ごめんね、大丈夫?」
私は だれかに ぶつかった
他の人はみな 私を見て
誰も近寄らない
私がみすぼらしいから
けれど 懐かしい声のあの人は
私に 手を 差し伸べて おこしてくれた
久しぶりに見た あの笑顔
私が 捜し求めていた あの人

「きみか!ひさしぶり、どうしたんだい?」
彼は ひとめで わかってくれた
前に 何人もの友達が わからなかった みすぼらしい 私のこと
あなたのこと 捜したんだよ
さみしくって さみしくって

今日は あなたと 初めて会った日
今日は あなたを 捜しに出た日
そして あなたを 見つけた日

私の話を聞いて 彼は言ったよ
「あはは、今日に縁があるな、じゃぁきょうは、僕ときみの記念日。」

あなたと ふたりの 記念日
うれしい なんか いい響き
幸せ とても 満ち足りた気分
私 もう あなたからはなれないからね

あの夜
私が あなたを 見つけた夜
夜 晴れた日に 空を見上げれば
きっと 星が 見えるでしょ
あの夜みたいに・・・。


戻る