第35回テーマ館「結婚/出逢い」


結婚をテーマにするとは はなぶさ [2000/10/25 00:20:57]


我々が結婚をテーマに小説等の創作をすることに関しての困難はやはりそれが
幸福なる人達へ捧げられなければならないということである。結婚という形態
に懐疑的な作品はここに投稿されるべきでは無く、それにも増して不幸な結末
というものが一番避けられなければならないであろう。そう考えると今回のテ
ーマは今までで一番難しい制約付きの創作と考えられるのではないだろうか。

しかし、そういう状況だからこそ創作意欲は湧き起こるもので、難しいことに
対して立ち向かえる原動力になるものである。だからと言って、ブラックな作
品を投稿する気にはなれない。創作が自由であっても気分を害するものは出来
るだけ避けるという美徳を持ちたいからだ。

では、この意欲と美徳を両立させる作品とはいかなるものかと言うと、やはり
最後は人は信じられる存在だということを信じているな、と思うような作品に
することである。どんなに大変な結婚であっても、同じ時間を過ごしていくこ
との素晴らしさを感じられる作品にする。それが一番と思うのであるが、そう
すると結婚をしないことの幸福というアンチテーゼを求める気持が納まらない
ような気がしてくる。

そして、私はふと気付く。実は私も結婚をする予定だったことを。それに気付
くとどんな作品も空虚に感じられてくる。現実の結婚程にドラマティックなも
のは無いからだろう。不幸であっても幸福であっても、ドラマチックなものに
は間違いが無いもの。それが結婚のようである。