『テーマ館』 第20回テーマ「勘違い」



 「勘違いメシア」   by 2M


      「おい!持ってきたか!?」
      高校の校舎の人目につかないところで、二人の男が
      いかにもひ弱そうな一人の男を脅していた。
      「こ、これだけしか・・・」
      すると一万円札を1枚と千円札を2枚ばかり二人の男に出した。
      「てめぇ谷村!俺は3万円もってこいっていったんだぞ!」
      「足んねぇなぁ〜!」
      「ごめんなさい!」
      谷村という男。この二人とは同じクラスの同級生なのだが、
      丁度去年の今ごろから「カツアゲ」の対象となっていた。
      「わかってんのか?これはカツアゲじゃねぇからな!」
      「俺達がお前のボディーガードしてやってんだぞ!」
      「・・・」
      「ちゃんと金払わねぇと殺すぞ!」
      「明日は残りの金もってこいよ!」
      そう言い残すと、涙をながす谷村の後を去ろうとしていた。
      すると、その時。向うから別の男・・・救世主が現れた。
      「おまえら・・・いいかげんにしとけ。金は返してやれ。」
      「誰だ?あんた?」
      「この学校の奴じゃないな・・・」
      「通りすがりの一市民だ。返してやれ。」
      「なんのことだ?これはこいつがくれるたんだ。勘違いするなよ。」
      「いいから返してやれ。俺を怒らせないうちにな!」
      「いやだね。」
      「そうか、ならしかたない・・・こんなところで力を使うつもりはなかったが。」
      「なにわけわかんないこと言ってんだ!」
      「おい!カズ。やめとけ・・・こいつマジで強そうだぜ。」
      「み、見かけだけだ・・・来いよ!」
      「やれやれ・・・」
      救世主は来ていた上着を脱ぎその場に奇麗にたたみだした・・・
      「いいか俺の名前をよ〜く憶えとけよ。俺の名は・・・」
      「なんだ?すきだらけじゃねぇか・・・」
      「カズ・・・チャンスだ!勝負は始まってる!」
      「よ、よし!やぁ〜!」
                              バコ!!!!
      カズの蹴りが救世主の顔面にメガヒットした!
      「グフッ!」
      それが救世主のあっけない最後だった。
      その後、もちろん救世主はボコボコにされた。
      「たまにいるんだよな、自分のことを過信しすぎる馬鹿の勘違いが!」
      「いこうぜカズ。明日残りの金持ってこいよ!谷村!」
      そして、二人はこの場から去って後に残されたのは、谷村と救世主だけとなった。
      谷村は救世主の元へ近づいた。
      「ボ・・・ボウズ・・・怪我は・・・なかったか・・・?」
      「この役立たず!」
      谷村も一発蹴りをお見舞いしてやった。そして、走ってその場から逃げ去った。
      「グフッ!よ、よかった・・・元気そうで・・・」
      自分のおかげで一人の少年を救ったと勘違いしている救世主25歳だった。
      その救世主の名前は・・・・
                                                              つづく・・・?

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(投稿日:07月08日(水)20時57分02秒)