第36回テーマ館「モンスター」



散文。 空(クウ) [2000/11/12 06:27:28]

モンスター。
私の中のモンスターは性質が悪い。
他人が私に打ち解けようと心を開いてくれるとそれに反発してしまう。
独りが好きなわけではない。
独りのほうが気楽でいいじゃん。
私はそう開き直る。
それはある意味で本心だ。
独りのほうが少なくとも友人に迷惑をかける事がないから。
心を開ける友人が出来た。
私は自分を曲げる事を覚えた。
まわりとうまくやらないと友人にまで迷惑がかかるから。
でも私の中のモンスターは反発する。
モンスター。
それは私の中の自尊心だ。
自分を曲げるのは自分のプライドを傷付ける。
自分が汚れたと感じる。
他人に迎合する自分が嫌いになる。
私の中のモンスターはそのうち私にとって得難いぬくもりを破壊するかもしれない。
でもモンスターを飼い慣らす事はしたくないのだ。
たとえそれが「大人」になるという事だとしても。
それでも。
わがままっていうんだろうね。
こういうの。
わかってるよ。
わかってる。


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