『テーマ館』 第30回テーマ「無題」


ここがヘンだよ徹夫さん 投稿者:森里羽実  投稿日:11月04日(木)03時39分43秒

      注: 多少毒の強い風刺ものです。徹夫さんがタイトルだけど、
         それだけが対象というわけでもありません。
         あるべき事象、私たちの習うことをすべて裏返しにしたら、
         素晴らしくいい感じに、この世はアイロニー。
         元ネタが分かるかしら・・? 基本は政経の受験勉強。
       

      ラーラララーラーラー♪

      「皆さんこんにちは、徹夫の部屋です。今回のお客様はこちら、アフリカは
       ゲスベラス共和国からいらっしゃったユニセフの国連大使ウペペさんです」
      「ドウモドウモ、ハジメマシテ」
      「ウペペさんは、今回のノーベル平和賞を受賞した『理由なき殺人』失礼
       いたしました、『国境なき石段』の人材派遣サポートもやってらっしゃるそう
       です。国境なき石段のメンバーは全員、各国の優秀な建築技術者たち。
       困っている国で困っている人を見ると、すぐさま大規模な建設作業をその場で
       行うんだそうです。
       たとえばひどい震災に見まわれたいわゆるファイア・ベルト沿岸の各国の
       復興を立ち直らせるのが目的です」  
      「ソウデス。私達ハ昼夜ヲ問ワズ、壊レタ国家ヲ修復スルワケデス」
      「なるほど、かつてモノカルチャー経済で先進首脳国の庇護下にあるために
       核兵器永久放棄条約には真っ先に捺印させられたいわゆる”Lower
       Force”の、愛情を持った復讐というわけですね。常任理事国のトップ
       として前世代で栄華を誇った現在のアメリカ旧民主主義連邦の後をつぎ、
       ゲスベラス共和国はこれからどういった取り組みをなさるのでしょう?」 
      「ソウデスネ。IMP(国際通貨プラン)ヲ推進シ、世界を単一通貨『Earth』
       (アース)デ統一シ、経済ノ統合ヲ図リマス。国家間ノ貧富ノ差ヲ無クシ、
       理想的ナ共和制ニシマス。私ハユニセフノ国連大使トシテ、恵マレヌ
       子供タチに義務教育ヲ与エル計画ヲ推進シテイクツモリデス」
      「なんて素晴らしいんでしょう。日本はゲスベラス共和国の安全保障保護
       国として、あなたがたのご活躍を惜しみなく応援しますとも」
      「ソノタメニハ、軍事基地ヲ幾ツカ設置スル必要ガ出テクルデショウネ・・
       完全ナル平和ノタメニハ、『神ノ見エザル裁キ』トシテノ、核兵器ヲ
       我ガ国ガ保有スルコトガ必要デス」
      「よく分かります、ウペペさん。そのための施設をいま建設中だそうで、
       皆様ご存知ですか?茨城県南海村、陸上自衛隊施設跡に、新しい
       ニュークリア・ターミナル(核兵器保管研究所)ができるのだそうです。
       世界に先駆けて、いまやまさに国境のない平和を実現するゲスベラス共和国の
       片腕として、私ども日本人が輝かしい仕事を請け負ったことはおおいに
       喜ぶべきことでしょう。前社会、20世紀の歴史はいまや『暗澹の期』として
       記憶にうすいところですが、ヴィジュアル・パネル(超薄型壁かけ専用情報
       受信機)の前の皆様も、ぜひ一度ディスクをお求めになり、前社会の私たちの
       苦しみのたたかいを、ご覧になられるのもいいでしょうね。
       さて、ところでウペペさん、お生まれはどちら?」