無題 投稿者:くに 投稿日:12月05日(日)15時52分41秒 指と指が触れ合ったとたん、ショートしたように青白い火が飛び散った。 いや、「火」ではない。次元と次元を隔てる壁を越えた衝撃だった。 触れた瞬間、離れる運命。 出会ってはいけない二人。 マイナスの世界に住む女とプラスの世界に住む男。 もしも二人がいっしょになったら、世界は中和されて消えてしまう。 しかし、やみくもに仲を裂いては、世界を道連れに心中しかねない。 それなら年に一度だけーーー二つの世界がお互いを確認するためにーーー 一瞬だけ会うことを許し、高まる思いを和らげてやろう、との イキな神様の思し召しだった。 そして二人はまた元の世界に落ちていく・・・。 完全に切り離されたそれぞれの世界に。 女の名をウランという。男の名はプルトニウムだった。