朦朧 はなぶさ [2004/04/03 01:15:42] 見えるのはいつも自分の落下する幻。死はいつのまにかすぐそこにあるという 身近な感覚がにとって魅力的な状態なのかもしれない。そして最も恐れる状態 が、落ち行く私。それは幻と言えるし、過去の残像だとも言える。遠い未来の 残像が私の記憶の幻となる・・・遥か過去の名残り。 冷たい雪を素手で握ったときに、手のひらが笑ったときの感覚が、真夏の海で 握ったコップの氷のような名残り。私はその身近な幻が、私に生命を与えてい るという源のような気がしている。 目の前には何も無く、瞼の内側に全ての事象が浮かんでいるような満足感の味 こそが、生命の幻。羽ばたく小鳥が起こす風で風車が回っているな、と感じる ことが、私の頬を撫でる空気の流れとリンクする心地よさ。 腐った魚をそうと知っていて食べている、痛みへの確信。そんなガラスの破片 のような幻たちが、私の苦しみであり生命そのもの。 戻る