雪の密室 しのす [2012/02/19 22:46:26] あたり一面雪がつもった夜、小屋で人が殺されていた。 小屋のまわりには足跡はなく、誰も出入りした様子はなかった。 「これがある建築家が作った館だったら 抜け道とかあったりするんだろうけどな」とミステリ好きの刑事がぼやくと、 相棒は???という顔をした。 「どうだ、霊感の鋭いお前のことだ、何か感じないか」刑事がひやかすと 相棒はぶるると体を震わせた。 「な、なに、感じたのか」 「いえ、寒いんです」 「私が殺しました」 「あ、犯人です。犯人が自首しました」 「どこに。何も聞こえない。何もみえないぞ」 「うしろです」霊感の強い刑事は、ミステリ好きの刑事の背後を指差した。 「幽霊が犯人だったんです」 「だから、足跡がなかったんだな」とミステリ好きの刑事は納得した。 戻る