君と by はなぶさ 雪は降らないと思っていた。だから僕は何も持たずに飛び出したんだ。降ると 知ってても同じだったかもしれないけど。 走りながら年を越したみだいだ。だって駅の時計が0時5分を回っていたもの。 君が急に電話をしてきたのは母さんの作った年越しソバを食べ終えたとき。そ れから僕は走り続けている。 風が僕を追い抜くと、星が降りてきた。僕は立ち止まった。手の平で星を受け るとそれが星じゃなくて雪だってことに気が付いた。 空を見上げると雪が僕を目指して降りて来る。昼は曇っていた空に満天の星が 優しく降って来るみたいに降りて来る。僕はこの場所にずっといたくなった。 不意に視線を感じたから、視線のある方を見た。君はいたずらっ子みたいな顔 をして立ってる。その顔を見たら電話のことなんか全部忘れた。 僕はこの場所で君とずっといられたらとだけ思った。 (12月24日(水)00時28分42秒)