桜吹雪 ひろし [2001/06/03 00:52:16] 桜の季節になると、決まってぼくの街にやってきて、 あのいつもの千年桜の太い幹の根元に腰かけて、 天に枝をひろげて咲き誇る桜をひとりで見あげるUさん。 桜吹雪がおさまっても、まだその姿は変わらず、 まるで桜の化身のように、 桜の化身かと疑いたくなるほどに、 とても声をかけることが憚れるほど美しく、 息を詰めて、しばらくその白い妖気を見惚れていましたよ。 やっと思い出したようにカメラのシャッターを切ったのを知っていますか? それから髪についた一片の桜の花びらをはらったのも。 ほら、これがそのときの写真です。 24枚のUさんの連続写真です。 指輪と一緒に受け取ってください。 そしてぼくの街にきてください。 戻る