第38回テーマ館「(僕の)街」



桜吹雪 ひろし [2001/06/03 00:52:16]


桜の季節になると、決まってぼくの街にやってきて、
あのいつもの千年桜の太い幹の根元に腰かけて、
天に枝をひろげて咲き誇る桜をひとりで見あげるUさん。

桜吹雪がおさまっても、まだその姿は変わらず、
まるで桜の化身のように、
桜の化身かと疑いたくなるほどに、
とても声をかけることが憚れるほど美しく、
息を詰めて、しばらくその白い妖気を見惚れていましたよ。

やっと思い出したようにカメラのシャッターを切ったのを知っていますか?
それから髪についた一片の桜の花びらをはらったのも。

ほら、これがそのときの写真です。
24枚のUさんの連続写真です。
指輪と一緒に受け取ってください。
そしてぼくの街にきてください。

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