『テーマ館』 第17回テーマ「3つのお願い」



 「私のランプ!」   by 2M


      うちは江戸時代の頃、城下ではちょっとは名の知れた、
      「異国館武術道場」と言う剣術道場をやっていた。
      鎖国をしていた当時・・・何故異国の人たちがこの
      道場で剣術を学んでいたのかはわからないけど、
      でも、そのおかげで私の家の物置倉にはいろんな
      珍しいものがあった。
      その中でも私のお気に入りはこの「願いのランプ」
      どうやら、あの「魔法のランプ」の原形がこれらしい。
      小さい頃、おじいちゃんに何度か聞かされたことがある。

      「よいか・・・加代。このランプには世の中の怒り・苦しみ等
        いろいろな悪い念が込められておる。だから、むやみに
        このランプはこすってはならん。
        しかし、このランプから全ての怒り・苦しみが抜けた時、
        願いを叶えるといわれる、魔神があらわれどんな願いも
        叶えてくれると伝わる。
        よいか・・・己の利害の為に魔神を呼んではならぬぞ。」

      ・・・と。本当か嘘か・・・私にはわからない。
      でも、どんな魔神が現れるんだろ!
      あの有名なアニメのような魔神が出てくるんだろうか!
      呼んでみたい!でも悪い念も出てくる・・・

      そんな葛藤が私の中に渦めいて・・・私は18になった。
      「もう我慢できない!」
      おじいちゃんも死んじゃったし、もう無効よね。あの約束!
      私は夜中倉に忍び込み、ランプを手にし、そしてこすった。
      「あれ?何も起こらない?」
      私はもう一度何度も何度もこすってみた。
      「・・・な〜んだ、やっぱり嘘だったのかぁ。」
      あきらめて帰ろうとしたその時!
      ランプから白い煙があがり、しだいに人の様な形になってきた。
      「いや〜、遅れたのねん。」
      なんと、予想していた男とは違って小さな子供だった。
      「・・・悪い念・・・てのは?」
      「今日は調子がわるいねん。ごめんなのねん。」
      「・・・・・」
      「願い事は三つなのねん。早く言ってなのねん。」
      「・・・うっとうしいから、その”ねん”やめてくれる?」
      「わかったなのね・・・分かった。」
      「それと、あんた魔神ってイメージじゃないのよ!
        もっと、がっちりした。なんていうか・・・」
      「こうか?」
      すると!あのアニメで見たいかにも魔神!に姿を変えた!
      「そうそう!魔神ならそうこなくっちゃ!」
      「さぁ、願いは二つ叶えた。最後のひとつ・・・」
      「ちょっとまって!二つ叶えた。って!私の願いじゃないよ!」
      「お前はそう願った。さぁ最後の一つは!」
      「チッ!しまったなぁ。あ!願いを10個にして!」
      「それは・・・反則だぞ!」
      「チッ!しょうがない。じゃ、妥当な所で!私の胸を大きくしてよ。」
      「それは・・・無理。」
      「無理!?失礼ね!なんでも叶えてくれんじゃないの!?」
      「わしにもできることとできないことが・・・」
      「それぐらいやれよ!・・・じゃ、じゃあ・・・」
      「早くしろ!」
      「うるさいわね!じゃ、私にカッコイイ彼氏をちょうだい!」
      「それも・・・無理。」
      「無理!?なんで?」
      「その顔じゃあ・・・ねぇ・・・」
      「あんたみたいな、魔神に言われたくないわよ!」
      「早くしろ!」
      「たっく、役立たずが・・・じゃ、しょうがないか、
        私の学校の成績をあげて!」
      「それも・・・」
      「無理だっての!」
      「その頭じゃ・・・」
      「なんなのよ!この魔神は・・・じゃ、大金をちょうだい!」
      「それは・・・」
      「これも無理!?」
      「いや・・・お前みたいな女に大金やると、無差別に使いまくって
        もったいないからヤダ。」
      「チッ!当たってるだけに、余計に悔しい。」
      「早くしろ!叶えられる願いにしろよ!」
      「あんたに叶えられる願いってどんなのよ!」
      「例えば・・・かたたたきとか、お使いとか。」
      「小学生並の願いしか叶えられないの!?もういいわよ・・・
        この役立たずが!私の前から消えて!」
      ボムッ!魔神はあっさりと消えてしまった。
      「ちょっと・・・本当に消えないでよ。最後のお願い・・・
        かたたたきでいいから!」

      十数年ずっとこすってみたかった、ランプ・・・
      しかし、私の願いはまったく叶わなかった。
      その後私は何度もランプをこすったが、魔神は現れなかった。
      もし、皆さんの家にこんなランプがあったら教えて下さい。
      私がこの手でとどめを刺しに行きますから・・・

(投稿者:03月23日(月)19時09分17秒)