第75回テーマ館「夢の終わり」



ユメ 花菱 晃 [2009/12/26 23:47:07]


「おはよう」
そう言っていつも私は朝早くから起きてお母さんとお父さんを起こして、朝ご飯を作っ
てもらう。
私はその間にいつもテレビの占いをチェックする。
これが私の日常。
いつものごく普通の生活。

「ねー!今日は遊園地に行こうよ!」
「そうねぇ…。天気もいいし行きましょうか」
お母さんはスクランブルエッグを作りながら言った。
お父さんは新聞を読みながら
「そういえば新しくできたしな」
と笑いながら言った。
今日は土曜日で一か月前にできた遊園地に行くことになった。
なんて幸せなんだろう。
いやなこともなくって、皆が笑顔で笑っていて…。
あぁ…このまます一生お母さんとお父さんと3人で暮らしたいな。
私の望みはそれだけ…。

次の日…

今日も朝起きてお父さんとお母さんを起こそうと思って2人の部屋に行った。

コンコンッ…

いつもならすぐに起きてくるのに…。
私は部屋の中に入った。
部屋の中は変なにおいがしていた。
ものすごく気持ち悪かった。

「おかーさん!おとーさん!起きて!!!」

そう言ってベットのほうへ近づいて行った。
近づくにつれて、だんだん悪臭は強くなっていった。

「!!!」

目の前で何が起きているのかわからなかった。
ただただ、目の前が深紅に染められていて…その中にお母さんとお父さんが横たわって
いた。
漫画とかでよくそういうのを読んだことがあるけど本当にそんなことがあるとは思って
いなかった。
目の前でこの世で一番大切な人達が無残な姿で殺されるなんて考えたことがなかった。

「あぁ・・・ぁ・・・お・・・かあさん・・・おとお・・・さん?
 ねぇ・・・起きて返事してよ!!うそ・・・でしょ?
 私・・・一人だけ残していかないでぇ・・
 いやだ・・ねぇ・・おとうさん!おかあさん!」

どれだけ叫んでも返事はなかった。
私はその場でただ泣くことしかできなかった。

昨日のような日常は私のユ・・メ・・・
ただの妄想。
だって本当はお母さんもお父さんも

私が殺したんだもの…

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