『オオカミ少女はいなかった
心理学の神話をめぐる冒険』

鈴木 光太郎 著 『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険 』 新曜社:2008/10/32 ちくま文庫:2015/5/8

2019/10/20〜  

『オオカミ少女はいなかった』は、とてもおもしろい内容で一気に読んでしまいました。実はこの本、千葉商科大学の非常勤講師控え室に「ご自由にお持ちください」とおいてありました。おもしろそうだから手に取りましたが、本当におもしろかったです。

1章「オオカミ少女はいなかった−アマラとカマラの物語」を読むと、話が作られた過程が確かに分析されていて「オオカミ少女はいなかった」と思います。

2章「まぼろしのサブリミナル効果−マスメディアが作り出した神話」も、今まで信じていたサブリミナルがこんな根拠のない実験報告が根拠になっているのかとびっくりです。

その他、3章「3色の虹−言語・文化の相対仮説をめぐる問題」、4章「バートのデータ捏造事件−そしてふたごをめぐるミステリー」、5章「なぜ母親は赤ちゃんを左胸で抱くのか−ソークの説をめぐる問題」、6章「実験者が結果を作る出す?−クレヴァー・ハンストとニム・チンプスキー」、7章「プラナリアの学習実験−記憶物質とマコーネルをめぐる事件」、8章「ワトソンとアルバート坊や−恐怖条件づけとワトソンの育児書」、終章「倫理学の歴史は短いか−心理学のウサン臭さを消すために」がテーマになっています。

心理学に興味のある方には、一読をお勧めします。

文庫本も出ているようですね。『増補 オオカミ少女はいなかった: スキャンダラスな心理学』 ちくま文庫


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