かんの温泉

うぉー、ひなびてる。期待通りだ。はるばる山道を走ってきただけのことはある。3棟ある建物は階段や渡り廊下でつながってお り、そのあちこちに風呂が点在してい る。私は奥の新館に案内された。新館といっても窓枠は木である。さあ、さっそく湯につかるか。いそいそと浴衣に着替えた。

ひなびたかんの温泉

この 宿にはいくつもの源泉が湧いている。せっかくなら全て廻りたい。中でも変わっているのはクロレラの 湯。一見普通の風呂だが、何か変。湯の 注ぎ口がないのだ。流れ込むのは、温度 調節の水だけ。湯はどこから?よく見る と、石造りの湯船のあちこちから、ポコ ポコ泡が出ている。足元の石の中には、湯温より熱いものもある。そう、湯は石の隙間から湧いていたのだ。他にも変わ った風呂があるが、その日女性専用に指 定されたひとつの湯を除いて全て混浴なので、女性は覚悟するべし。

イチイの木でできた露天風呂

サビの湯


鹿の湯

かんの温泉に大満足した私は、翌朝、川辺の露天風呂鹿の湯に行ってみることにした。かんの温泉にほど近いキャンプ場の奥 に、その露天風呂はある。素晴しい‥‥の一言。簡素な脱衣場でそそくさと裸になり、渓流沿い に造られた湯船に身をひたすと、ワイル ドさとともに風雅を感じる。目の前にもみじが張り出しているから、秋はまた格別だろう。しかし、キャン プ場から見えるうえ、たまに見物人もいたりす るので、女性は水着を仕込んでおかないとつ らいだろう。ただ、水着ではこの風雅 は味わえない。

鹿の湯

鹿の湯までやってきた道央温泉めぐりの旅、この続きは 北海道道央編(糠平〜岩間温泉)でどうぞ。


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