御宿こまゆみの里

途中の川俣温泉あたりでずいぶん人が降りるのかなと思ったら、ほんの数人しか降りていかなかった。では我々の下車する平家平温泉で‥‥ところが、平家平温泉で降りたのは我々だけであった。ほとんど満員のままバスは終点の女夫淵温泉へと発っていった。まあよい。この静かなところがここのいいところなのだから。

今夜の宿は平家平温泉の一軒宿、御宿こまゆみの里。あたりの木々はちょうどよく色づいている。バスが行ってしまうと、あたりに聞こえるのは沢のざわざわいう音だけである。

一軒宿のこまゆみの里

部屋に案内され、まずは窓から景色を眺めてみる。正面の険しい崖は、紅葉のピークにはもうちょっとといったところ。だが、視線をもう少し遠くへのばすと、実にいい色になっていた。

部屋からは色づく木々が‥‥

こんないい景色、窓から見てるだけじゃ勿体ない。さっそく露天風呂へGO! 

この露天風呂は好きだなぁ。湯あみしながらの紅葉狩り‥‥ん〜いいねぇ。石造りの露天は混浴だが、隣の女性専用の露天も景色はいい。客室数が多くはないので、大旅館と違って風呂もすいている。とちの木をくり抜いた丸太風呂もちょっといい感じだ。ちょうど人ひとりが収まるサイズが妙にハマル。

混浴の露天風呂、奥にあるのは丸太風呂

この露天の他に新たに小さめの露天風呂を2つ造っていた。ペアでプライベートによさそうな感じだった。近いうちにオープンするだろう。

この日は夕食の後にも2度ほど露天風呂へいった。灯りがあるので星見風呂というほど星は見えないが、夜の露天もいい。贅沢をいえば、もう少し灯りを控えたほうが、風情がでるのではないかと思う。とはいえ、十分に長湯したくなる風呂である。

じっくり風呂を楽しみ、地酒「天鷹(てんたか)」を味わえば、いつしか夢の中へ‥‥‥


至福の睡眠‥


翌朝、目が覚めるなり風呂へいく。私は温泉宿に泊まると、最低でも3度、多ければ5度風呂にはいる。早朝の風呂は実に爽快だ。

体が暖まったからだろうか、胃袋もしっかり目が覚めたようである。朝食もうまい。なかでも朝食に出る湯豆腐というのが私は大好きだ。味噌汁は一人用のなべに湯を沸かし、好みで具と味噌を溶きいれるスタイル。味噌の量を加減できるのがいい。ちなみに私は薄めが好きだ。


山を降りる帰りのバスは4台編成であった。何故こんなに固まって運行するのかやっと分かった。固まって走れば先導車が1台で済むのだ。先導車は先行しながら、対向車をすれちがえる場所に待たせたり、見通しが利かないカーブでは「白い車(対向車)が行ったら来ても大丈夫‥‥」などと、無線で誘導している。ばらばらに走っていたら一台一台のバスに先導車が必要だ。こうやって固まっていけば先導車は一台ですむ。なるほど。

連なって進む路線バス


ちょっと寄り道・日光

帰りは鬼怒川からのスペーシアをおさえることができなかった。そこで代わりに東武日光からのスペーシアで帰ることにした。日光まで普通電車で足を運ばなければならないが、ま、急ぐ旅でもない。ちょうどいい寄り道である。

日光に着いたのはちょうど昼過ぎ、さっそく名物の湯波(ゆばと読む。京都では湯葉と書く。)を食べることにした。腹が減っていたのですぐ駅前の「さかえや」という店に入った。湯波はうまいのだが、サービスははっきりいって悪い。ま、駅前の店だから、だまってても客は入るのだろうが‥‥。

気を取り直して、街を散策することにした。

ようかんの老舗「ひしや」は今日も売り切れであった。この前来たときもである。別に「ひしや」にこだわらなければ、ようかん屋は辺りにいくらでもあるのだが、毎度空振りすると、かえってその味を試してみたくなる。

日光ゆばの「ふじや」は人でいっぱいだった。生ゆばは持ち帰り用に、保冷袋に入れてもらえる。しかし、その日のうちに御賞味下さいとのこと。生ゆば、乾燥ゆばの他に、串ゆばやゆば菓子も売っている。もちろん土産に買って帰ったことはいうまでもない。

日光ゆばのふじやは人でいっぱい

生ゆばと串ゆば

小一時間ぶらぶらしたところで、そろそろ帰りの電車の時間だ。ほどよい散歩がよい睡眠薬になったか、浅草までのスペーシアではうとうとと‥‥、夢を見ながらの帰路となった。


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