ぐるり一周岩手の温泉


厳美渓(げんびけい)

初夏のとある日、岩手の一関駅に降り立った私には、まっ先に行きたい場所があった。厳美渓(げんびけい)、その名は以前から知っていたのだが、まだ訪れる機会がないままでいた。だから駅前でレンタカーを借りるとまっすぐに厳美渓を目指した。

その景観は不思議なものだった。すっぱり割ったような、しかし柔らかな曲線を持つ巨岩が渓流にごろごろしている。その間を澄んだ水が、涼し気な交響曲を奏でながら流れていく。沢風が気持ちいい。やっと会えた景色‥‥。

厳美渓(げんびけい)

そしてやっと会えた郭公団子(かっこうだんご)! これがあの噂の‥‥。向こう岸の茶屋から、籠にのせられた団子が勢い良く滑り落ちてくる。どうやら籠に料金を入れると、その籠に団子を入れて返してくれるらしい。面白そう! やってみよ! 籠はかなりの勢いで滑り落ちてくる。しかし到着寸前ですっとスピードを落として、中のお茶は一滴もこぼれてない(さすが!)。団子はこしあん、練りごま、みたらしの3色。けっこういける。観光バスが着いたのだろうか、人だかりの中で団子は飛ぶように売れていく。籠は休む間もなく、しきりに谷を往復する。こりゃ儲かりそうだなぁ。

向こう岸の茶屋から籠が‥

郭公団子

3色の団子


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