中国に死す_6役人を使え。うかつなサインは禁物

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 中国は良くも悪くも役人天国。

 Yさんが亡くなった時、私はまだ控え室で日本と連絡をとっていた。上司に亡くなったことを伝える。病室に入ったときには、何本もの点滴の針を外しているところだった。

 すぐに対応しなければならないことが三つあった。一つは死後硬直が始まる前に服を着替えさせること、二つ目に遺体安置所に移す段取り、三つ目に死亡に関する同意書にサインをすること。

 「何だ?その同意書っていうのは。」通訳に聞くと、「病院の対応にはなんら問題無いので、死亡に関しては、今後一切の苦情をいいません」、という内容だった。とてもじゃないが、そんな同意書にサインはできない。サインはできないと病院にいうと、病院はこう言って迫った。病院は遺体を置いておくところではない、すぐに搬出しなければならない、だからサインしろと。

 こまって日本の上司に電話したら「サインはするな、交渉しろ」という指示。交渉っていっても仕事の交渉とはわけが違う。通訳と相談して、「私は随行人であり、家族が到着するまでは死亡同意書にはサインできない」と但し書きしてもらって、サインした。時には玉虫色の決着も必要だ。

 死後硬直する前にスーツに着替えさせなければならないという。スーツはホテルに置いていたので、通訳にとりに行ってもらった。ここで次の問題が発生した。ホテルの部屋が公安によって封鎖されている。公安とは相手が悪い。ホテルも手を出せないのだ。ふと、午前中に来た政府の役人のことを思いだした。「困ったことがあったら何でもいってくれ」。今がそのときとばかり、通訳から電話を入れさせると、ほどなくして部屋に入ることができた。中国では役人を味方にすると大抵のことはできる。

 その後も、着替えさせる費用だとか、病院から遺体安置所に運ぶ間に上からかぶせる黄色い袋代だとかの交渉があった。病院とは違って、遺体安置所は料金後払いだ。お金を全額払って遺体を引き取るというシステムらしい。

 この後、遺体とともに安置所にいったわけだが、ここでもまた日中の文化の壁を思い知らされることになった。

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