中国の椅子、日本の畳

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 中国人と話していると、同じ東洋人というより、西洋人と話しているように感じるときがある。自己主張が強いこと、良くも悪しくも個人主義であること、などだ。

 中国は椅子に座る文化だ。日本は畳、正座の文化。中国に畳は無い。畳は日本特有のものだ。藁(わら)で作った畳床の表面をイグサなどの畳表で覆って作る。イグサ科はほぼ全世界に分布するが、畳表に使うイグサは、東アジアと日本の湿地にだけ生える。

 イグサの主な生産地は熊本県。私の出身地だ。学校のまん前にイグサの水田があって、学生たちの夏のアルバイトの定番だったか、ものすごい重労働としても知られていた。1.5メートルのイグサの束を頭上に持ち上げ、トラックに山積みする。1日続けると、もう腕があがらなくなるのだ。

 それに比べ椅子は、その気になれば素人でも日曜大工で作れてしまう。どう考えても椅子のほうが簡単なのに、どういうわけか日本では、近代まで椅子の文化が広まらなかった。どうやら我ら日本人は、面倒くさいことが大好きな民族のようだ。

 ホンの20年ぐらい前のテレビドラマを見ても、お決まりのように丸いちゃぶ(卓袱)台に、スーツ姿のお父さんが、正座してお茶を飲んでいる、という様子が映る。椅子が生活に入ってきたのは、つい最近のことなのだ。

 西洋では、椅子は休息するための道具であり、同時に権力の象徴でもあった。王の座る王座は、古代エジプトですでに完成していた。中国でも故宮など、歴史のある建物を見学すると、皇帝や貴族が座った、権力を誇示する立派な椅子を目にする。

 現代の中国でも、一般の人が生活する家は、西洋の部屋の作りに良く似ている。わずかな違いが有るとすれば、ヨーロッパでは床がカーペットなのに対し、中国ではタイル張りが多いことぐらいか。座る文化の違いも、民族の気質、特徴に大きな影響を与えている。

 椅子の文化の広まりと、日本文化、風俗の衰退には、なにか関係があるのかもしれない。

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