エキスパートとスペシャリスト

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 エキスパート(Expert)とスペシャリスト(Specialist)は日本語にするとどちらも専門家だ。じゃあ、英国でも、この二つは同じかといえば、実はそうではない。

 海外で仕事をしていると、当然他の企業との接触がある。閉鎖的な日本の企業体質に比べ、欧州では企業間の交流がはるかに多い。英国人を部下に持つ場合、他企業訪問時のあいさつも、日本人が英語ですることになる。部下のAさんを紹介をするとき、○○の専門家と言おうとして、一瞬迷ったので聞いてみた。「エキスパートとスペシャリスト、どっちで紹介したら良い?」「エキスパートと言ってくれ」。

 エキスパートは専門家といっても、その技術の背景まで知っている、いわゆる権威。これに対しスペシャリストはその道一筋の専門家。その技術には著しく秀でている反面、それ以外はちょっと苦手ということもありえる。今の時代風にいえば、国家、民族間の対立や、軍事・防衛力、地下組織の知識も豊富なテロ対策のエキスパートと、旧式から最新式まであらゆる爆弾の構造に詳しい、爆弾処理のスペシャリスト、なんていう感じだろう。どちらが偉いかということではなくて、専門知識・能力のタイプの違いを表しているわけだ。

 私は一瞬躊躇(ちゅうちょ)した後、部下のAさんを権威と紹介して会議を始めた。


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