パブの男

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 騙す人、騙される人はどこの国にでもいる。紳士の国、英国も例外ではない。怪しげな話しの代名詞は、なんと言っても「パブの男」。従業員ではなく、見ず知らずの客だ。

 パブは日本の同名の水商売とは全く異なり、紳士淑女の社交場。基本的には食事の提供は無く、ビールを次々に注文し、延々と話しをする。英国人はビールを飲むと、いっそう話し好きになる。日本の居酒屋での「仲間内だけの閉ざされたお付き合い」と違って、知らない人とのコミュニケーションも楽しみのひとつだ。

 そういう雰囲気のなか、見ず知らずの男があなたに話しかけてくる「こんな儲け話あるんだが、あんた知ってるかい?」。

 英単語に"blame"人のせいにする、というのがあるが、「パブの男」は、ちょっとしたつくり話、災難を誰かのせいにしたいときにも頻繁に登場する。「ちぇっ、このペン、もうインクが出なくなっちゃったよ」「どうせまた安物買ったんだろう、どこで買ったんだい?」「ああ、パブの男"a man at a pub"から買ったんだ」。そのペンを実際にパブにいた男から買ったのかは疑わしい。誰かのせいにしたい時、架空の第三者に騙された自分を自嘲的にわらうのだ。

 パブにはそんなに悪い人間がうようよしているのだろうか?実際にはパブの男を信じて被害に遭ったという話しは聞いたことが無い。それでも、騙されたかどうかよく分からない「被害」というのもある。

 例えば、"raffle ticket"。宝くじ共同購入券、みたいな感じ。英国では数人で宝くじをまとめ買いし、当たったらみんなで均等に分ける、というのをよくやる。 用紙に住所と名前を書いてお金を出すと、受け取り証としてraffle ticketを受け取る。宝くじが当たったら、購入したチケットの分だけ分け前を受け取る、という仕組み。

 職場などでやるのが基本だが、パブの男にお金を渡してraffle ticketをもらうのは考えものだ。当たっても本当に連絡してくれるのだろうか?いや、それ以前にそのお金で宝くじを買うかどうかすら疑わしい。

 「パブの男」との「お付き合い」は、たとえ話の中だけにしたいものだ。


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