イギリスの救急医療(前編)

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 イギリスの警察、消防、救急車の電話番号は"999"。なんとなく覚えやすいですね。

 999をダイヤルすると、"警察、消防車、救急車のどれが必要ですか"という質問が来る。"救急車"というと、"場所は?"とくる。住所を言うと、"どうしましたか?"となる。これからが問題だ。医療関係の英語はめったに使わないため、医療に関係している人ででもなければ、すぐには出てこない。

 私の娘が異物を喉に詰まらせ、意識を失ったことがある。職場に電話があり、車で10分の所にある家に戻った。後で考えたら、職場を出る前に、救急車の手配だけしておいた方がよかったと思う。

 家に帰ると、思っていたより状況は深刻に見えた。「引き付け」という言葉ぐらいは知っていたが、私たちには初めての体験だった。すぐに999をまわして救急車を呼んだのだが、"意識を失っている"ぐらいは言えても、それ以上の英語が出てこない。「白目をむいている」なんて、英語でなんて言ったらいいんだ?

 実際にはそんなに時間が経っているわけでも無いだろうが、こういう場合、とても長く感じられる。救急車がなかなか来ない。それで、お隣りに助けを求めることにした。

 お隣りとは、ゴミを出すときに顔を合わせ、挨拶するぐらい。たまに子ども同志で庭で遊んだりもしていたが、日本と違ってお隣同士、あまり立ち入った人間関係はなかった。

 玄関のベルを鳴らして、手短に用件を告げると、お隣りの奥さんは寝間着のまま駆けつけてくれた。言葉より、狼狽した私の表情の方が、ただならぬ事態を的確に伝えたのだろう。娘の様子を見るなり、救急車に電話を掛け直してくれて、おろおろするだけの私たちに代わりその場を仕切ってくれたり、"大丈夫、私も何度も経験しているから"と、落ち着かせてくれたりした。

 救急車はやっと来た。応急処置をして救急車に載せる。ちょうどやって来てくれた同僚に息子のことを頼んで、先のお隣りさんへのお礼もそこそこに、車で救急車を追った。病院の名前だけ聞いていたから良かった。サイレンを鳴らしながら疾走する救急車について行けるものではない。救急車に同乗していた妻の話では、あまりスピードを出していたので、途中で何かにぶつかって、後ろのドアがばっと開いたそうだ。

 私が救急病院に着いたときには、娘はすでに応急治療室に寝かされていた。

イギリスの応急医療(後編)に続く。


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