茶髪金髪黒髪

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 9月に入るとそれまで比較的静かだった通勤電車の中が、高校生たちによってにわかに活気付く。

 だが、夏休み前と何かが違う。観察していると、一学期まで車内で幅を利かせていた茶髪が、黒い髪に変わってしまっている。「なんだ、みんな黒い髪だったんだ」。家内に話すと、二学期は面接などがあるからではないかという。なるほど。

 次の日車内で聞こえてきたのが、「私、ちょっと黒くしすぎちゃったかな?」という声。何と黒髪を茶髪に染め、それをまた黒く染め直しているらしい。おじさんはちょっとびっくり。

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 既成概念というのは思考に強い影響力がある反面、根拠に乏しいものがある。

 イギリスに行くまでは、金髪女性=美人という思い込みがあった。多分、映画などで見る女優などの影響によるものだろう。翌日にはそれが間違いであったことに気づいた。確かにブロンドが素敵な女性もいるが、大抵は普通の面持ちである。当たり前なんだけどね。

 失望するのは、なんでも期待しすぎるから、というのが私の考えだ。金髪女性は美人でなければならないという私のそれまでの期待が、どれだけばかげたものであったか、失望するまで気が付かなかったというわけだ。

 考えてみれば、人間関係での悩みなんて大体はそういうものが原因ではないだろうか?上司、先生が気持ちを分かってもらえない、配偶者、恋人が自分の気持ちを分かってくれないなど。「普通**なら、当然++すべきなのに。そうしてくれないなんて信じられない。」この**にあなたの身近な人、++にその人にやって欲しいと思っていることを当てはめると、自分の悩みが、案外、自分の過大な期待から来ていることに気づく場合もあるだろう。

 スキンディープという言葉がある。Beautyis only a skindeep.意味は二通りあって、美しさは、肌の表面ですべてが決まるという意味と、美人(美男子)も所詮皮一枚のこと。中身が勝負という意味と。

 イギリス人にも、髪を染める人がいる。金髪美人も地毛は違うということも多い。まあ、日本と違って金髪、茶髪、黒髪、赤毛、白い髪、それぞれの中間など、もともと色とりどりなので、結局は似合うか似合わないかだけではないだろうか。

 金髪を表現するのにゴールド、ゴールデンという言葉は使わない。ブロンド(Blond、または女性の場合Blonde)という。手元の辞書によるとBlondeは、fairhairedと説明されていて、fairには、色が薄いという意味と同時に、美しいという意味もある。関係ないけれど金魚はGoldfishという。家の金魚は赤いんだけどゴールドでいいみたい。

 日本では茶髪全盛だが、髪を染めるのは個性の表現だという人もいる。しかしこれだけ多いと、表現しようとしている個性っていったいなんだろうかと考える。「他の人と同じ事をするのが私の個性です」と言うことだろうか?

 イギリスから帰ってきたとき、日本人がみんな同じ髪型、格好、車から持っているものまで、あらゆる物が画一化されていることに改めて驚かされたのを覚えている。

 "はやり"のものを、誰もが手に入れることができるのは、一面で日本の経済力の余裕の現れともとれるのではないか。イギリスでは"大流行"というものがあまり無い。お金がもったいないから必要なもの以外は買わない、という面もあるように思える。

 ある時、ウェールズに住んでいた方が帰国するというので、空港まで迎えに行ったことがある。その方の奥さんには、ウェールズでは数回しかお目にかかっていなかったのだが、長い黒髪を腰まで伸ばしていたのが特徴的だったので、空港の待ち合いロビーで探そうとしてみた。ところが、ちょうどその頃はその髪型が全盛期の頃。空港の端から端まで、みんな同じ髪型。

 ウェールズのカーディフ空港であれば、すぐに見つけ出せた筈なんだけど。


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