車検

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 初めて日本に来たイギリス人が、空港から出て高速道路を走る車の中で、大抵の場合びっくりすることが二つある。一つは高速道路の両わきにズラリと並んだちかちかネオンの看板、もう一つは走っている自動車がどれもこれもピカピカの新車であることだ。

 言いかえるとイギリスの高速道路は殺風景で、走っている車も(ピカピカの車もあるにはあるのだけれど)あっちこっちへこんだりしていて、こんなのが本当に走っていていいのだろうかと思うものが多い。

 実際、高速道路の路肩では、ボンネットを上げて白い煙をはいている車が停車しているのをよく見かける。

 両国を走るこの自動車の違いは、経済的環境や自動車に対する価値観など、きっといろいろな背景からくるもので一度真剣に考察してみたい気もするが、ここでは多分その一つの原因ではないかと思われる、車検制度の違いを紹介したい。

 イギリスにも車検制度がある。新車から3年で初めの車検があるという。ここまでは日本と同じだが、必要となる費用はずいぶんと違う。とにかく安い。

 車検と言っても、実際には"ディスク"と呼ばれる小さな円形のステッカーを入手することであり、その入手手順について述べることにする。このステッカーには有効期限と車のプレート番号が明記されていて、車の前面スクリーンに貼ることが義務づけられている。万一有効期限切れや不正などが見つかると、かなり高額な罰金を払わなければならない。

 まず、自動車検査証明書とでも言うべき"MOT"を取得する。MOTは、大抵の整備工場やディーラーのサービス工場で車両の検査を受けることにより入手できる。車両と住所の登録、をきちんとやっておけば、MOTの有効期限すなわち前のMOTから一年後に"もう切れますよ"という通知が来る。値段は6千円ぐらい。半日ぐらいですむ。

 次は有効な自動車保険証。これは、私の場合会社が準備してくれていたので、ディスクに必要な最低条件、対人とか対物の補償金額がいくらだったかちょっと覚えていない。いずれにしてもちゃんとディスクを持っているということは一定の条件を満たす保険にはいっている、ということである。

 最後に上の二つと、届け出ている住所に送られてくる"ディスクの有効期限がもうすぐ切れるよ"という手紙を持って、郵便局に行く。大きな郵便局でないと手続きができないので、私はアルバニー・ロードの郵便局に行った。窓口で必要書類と税金、年間で2万円ぐらいを支払うと新しいディスクがもらえる。

 3万円でおつりが来る車検のおかげで、「次の車検で車を買い替えようか」などと考える必要もなく、気がつけば結構年代ものの車が多い、ということになるらしい。


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