エクセル対ワード

イギリス(PC)>エッセイ(携帯)職場>エクセル対ワード

 職場で資料を作る。大企業になるほど資料をつくる。よく似た資料をつくる。みんなで作る。毎回作る。

 資料作りがそんなに魅力的な仕事かどうかは別にして、日本とイギリスでは資料の書き方、表現のし方がずいぶんと違うのだ。まず、日本人は表を作りたがる。日程、売上、市場の動向など、何でも表にする。いわば表計算ソフトの「エクセル派」だ。表にちりばめられた「事実」を見れば一目瞭然で、くどくど説明する文章は省略されている。ビジュアルに訴える表現方法だ。表に対する考察や結果は、口頭で説明されることが多い。

 これに対してイギリス人は、何でも文章で表す。まるで新聞の記事のように、文章が途切れなく続く。箇条書きもない。こちらはワープロソフトの「ワード派」と言えるだろう。イギリス人に報告書を作ってもらうと10人中10人が(日本人から見ると)だらだらとした文章を書き始める。箇条書きも動詞を大切にする英語の文化にはなじまない。できあがったものを見ても、全体のイメージを一瞬で判断することは難しい。

 そこで私は考えた。イギリス人にも表のありがたさを教えてあげよう、と。ところが、表を書いて説明始めると、どうも反応がいまいち。話しのストーリーがわからないというのだ。そんなはずはない、と思って説明しても、たとえば、「その表は上から下の順に読むのか?結論はその表のどこに書いてあるのか?」と的外れな質問がくる。わかりやすいかどうか以前に、見なれないもの、扱い方がわからないもの、と映るらしい。

 そういえば私たち日本人は、子供のころから表に慣れ親しんでいる。小学校にあがれば、「時間割」、家に帰れば、カレンダー。日付が「マス」にはいって整然と並んでいる。だけどイギリスのカレンダーは、数字が並んでいるだけで「マス」がない。イギリス人はタイプライターの文化。今でこそいきなりパソコンのワープロソフトから始めるが、操作はタイプライターと基本的に同じだ。

 書道のように、日本人は文字さえもビジュアルを追求する。ビジュアルに伝えようとする日本の文化。「マンガ」では世界を席巻したが、表はまだ、タイプライターにかなわないようだ。


イギリスウェールズ目次に戻る KeriMaedaWales