ジェントルマン

イギリス(PC)>エッセイ(携帯)制度・教育>ジェントルマン

 飛行機に乗ると、よくヘッドフォンで落語を聞く。リラックスするためと、しばらくは使わなくなる日本語を聞けるときに聞いておきたいという気持ちもある。いずれにしても、言葉には不思議な力があるものだ。

 毎回何かしら心に残る話がある。今回の出張でも、なるほどと思う話を聞いたので、早速ここで引用させてもらうことにした。

 場面は大ヒットした映画「タイタニック」のクライマックス、沈没寸前の豪華客船から逃げ惑う人たち。絶対に沈まないといわれていた船に、救命ボートは乗客の数だけ備わってはいない。女子供を先に救命ボートに乗せる。助かる保証はなくても、男性には後に回ってもらうよう、説得しなければならない。

 そこで相手がイギリス人男性なら「あなたこそジェントルマンだ」と言う。アメリカ人なら「きっとヒーローになれる」と言えば進んで後に回ってくれる。ドイツ人には「そういう決まりになっています」と言えばいい。

 さて、日本人の場合はどうか?「皆さんそうしていらっしゃいます」。実にすばらしい。日本人の横並び精神をうまくついているといえよう。

 相手を説得するには、相手(の文化)が大切にしているところをうまくくすぐってあげればいい。

 ジェントルマン、レディーと言えばイギリスでは立派なタイトル(肩書き)だ。ジェントルマンといえば、紳士。言われて悪い気はしない。

 男でも分別のない人間はジェントルマンとは呼ばず、たとえばわざと"ヤングマン"と呼んだりする。"ヤーング・マーン"と伸ばすと、さらに相手をさげすんだ、いやらしい言い方になる。西条秀樹も短く発音しているから喧嘩にはならない。

 紳士協定は"gentleman's agreement",複数の男性を気軽に呼ぶには"Gents!"。(前にtheがつくと男性用トイレ)。イギリス人男性を誉めるときには"ジェントルマン"を多用しよう。人に紹介するとき、イギリスの重いドアをあけて待ってもらっているときなど、どんどん使う。

ジェントルマンという言葉には、不思議な力がある。


イギリスウェールズ目次に戻る KeriMaedaWales