v ギネスは7対3_窒素7と二酸化炭素3_クリーミーな泡の秘密

ギネスは7対3

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 7対3。ギネスビールに関するこの数字は何だ?ギネスが好きな人と、嫌いな人との比率?違います。ギネスビールにあの独特のクリーミーな泡をつくる秘密、窒素ガスと二酸化炭素の割合。そもそもギネスの泡は樽に入ったギネスの液体にガスを入れて作るのだ。

 その昔は、ギネスの入ったたるに、ポンプで空気を送って泡を立てた。現在では、衛生上の理由で、液体窒素と二酸化炭素の混合ボンベを使って泡を立てている。7対3の比率は、空気中のそれぞれの割合に近づけるため。独特の風味を作るガスは、ギネスのために特別に調合されたもので、結構な値段がするのだ。また、生のギネスは賞味期間が短く、通常の保存状態なら、3日のうちに消費しないといけない。従来は30L樽しか流通していなかったため、制約が多かったが、現在は20L樽も流通するようになり、ギネスビールがより身近になってきた。

 さて、あの真っ黒なギネス。なんで黒いのかというと原料の大麦を焙煎(ロースト)しているから。原料が黒いので、できたものも黒い。シンプルだ。

 次になぜガスを入れるかというと、よくわからない。

 本来、ビールに限らず、原料を発酵させて作る飲み物は、発酵の際に二酸化炭素を出す。話しがそれるが昔寮生活をしていたときの失敗談。部屋中を危うくワインびたしにするところだったという話し。

 その寮では「アルコール飲料は一切持ち込み禁止」という厳しい規則があった。しかし、ブドウと水と砂糖を持ち込んではいけないというルールは無かったので、私たちは堂々とそれらの「原料」を持ち込み、純粋に化学的な興味からブドウをつぶし、発酵させやすくするという砂糖をふりかけ、瓶に詰め、水を注いだ。別に隠し立てするという意図は無いものの、「冷暗所がよかろう」という発想から、ロッカーの奥のほうに置いた。数日後飲んでみるとただのブドウジュースだったが、一週間経つ頃には少し酸味を感じるようになり、発酵し始めたことが確認できた。調子に乗ってさらに発酵させたのだが、発酵が進めば進むほど、二酸化炭素の放出量が多くなるという化学変化を予知することができず、ある日爆発音とともにワイン、いや、その化学実験用ブドウ液を入れた瓶が爆発した。

 このようにして、発酵する際には二酸化炭素が発生する。本来のビールも、上面発酵(エール。常温で発酵し、酵母が二酸化炭素とともに液の上面に集まる)、下面発酵(ラガー。10度以下の低温で発酵し、酵母は最終的に液の下に集まる。低温にするために地下の貯蔵庫=ラガーで作られた)の差はあるものの、二酸化炭素を発生する。

 日本の生ビールは非加熱処理で作られる。本来、加熱して発酵がすすみすぎるのを抑えるのに対し、多くの非加熱処理製法では、ある段階で酵母ごとフィルターで取り除かれる。このとき、二酸化炭素もフィルターで取り除かれてしまう。したがって、日本で生ビールと称するものの多くは、清涼飲料水のように、二酸化炭素を後で入れている。

 ギネスビールは上面発酵のエールビールのひとつ、スタウトと呼ばれるものに属するといわれている。窒素ガスは、炭酸ガスより液体により長く存在することができるので、クリーミーな泡がより長く続くのだそうだ。

 ギネスの缶ビールには、プラスチックの塊=ウィジェット(Widget)が入っている。缶を開けたときクリーミーな泡を一気に立てるのだが、ウィジェットの中には、ガスが詰められているわけではない。いうなれば、圧力を詰め込んでいる。缶の中のギネスが約1パーセント閉じ込められている仕掛けになっていて、缶を開けたときに外気と同じ1気圧になると同時に、ウィジェットの中からミクロの穴を通して、詰め込まれていたギネスが放出される。このときに泡が立つ(サージング)わけだ。

 とっても化学的な話しになってしまった。これ、またテレビのクイズ番組で出るかもね。


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