イギリスの採用面接

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会社を辞めるときの話は以前に書いたので、ここでは新しい仕事につくときの話をしたい。

よく、日本と比較して欧米の人は会社をすぐに辞めてしまうという事が言われる。

職を求める人は、その企業に当面勤めるつもりで来ているし、企業側にもすぐ辞めてもらうつもりで人を採用するような所はないだろう。これはイギリスでも日本でも同じだ。

定着率という言葉が使われたりする。定着率が悪い、というと辞めていく人が多いということであり、日本ではネガティブなイメージがある。日本では、終身雇用、年功序列という形態が取られてきたが、今日ではその維持が難しくなっているものの、転職する事についての理解や待遇はまだ欧米並みとはいかないのであろう。

優秀な人、是非会社にいて欲しい人も辞めてしまう。

これをチャンスと見るか損失としてみるか。同じことが起こっても、受け取り方しだいで180度違う。なぜチャンスなのかって?

優秀な人が辞めてしまう"悲劇"は、何も自分の会社だけで起こっているわけではない。すなわち、よそでも同じ"悲劇"が日々おきている。

辞めていった人と同じ給料で、もっと優秀な人、自分の職場に適切な人を探すチャンスもそこにあるわけだ。

さて、前置きが長くなったが、そのチャンスを求職中の人(Job−seeker)、会社側(Employer)が、どのように活かしていくかについて述べる。

1求人広告(advertisrment)、ハローワーク(Jobcentre)

人員の追加が必要になったと判断されると、人事(Personnelという。Humanresourcesは米語)が、求人広告を出したり、Jobcentreから情報を入手したりする。

2 書類審査

まず入手する情報としては履歴書。

イギリスで履歴書にあたるものはCV。resume(本当はeの上にアクセント記号がつく)と言わなくも無いが、イギリスではCV。何の略なのかは知らない。CVについては次回詳しく説明したいが、日本と違う所だけ書き出すと、

Profile:自分をいかに売り込みたいかが書かれている。転職する場合は、現在の仕事での自分の役割、リーダーシップ、職場の業績やモラルへの貢献などを書く。「私のの趣味は・・です」なんて言うのはこの欄には書かない。

Qualifications:何の資格を持っているかを書く。資格と経験で、収入の額は大体決まっているといっても過言ではない。選ぶ方からすると、持っている資格と経験に対して、本人の希望給料がいくらなのかによって"お値打ち"という人を選ぶことになる。イギリスでは、より高度の資格は職場に入ってから取るのが普通だ。ONC、OND、HNC、HND、BSc・・・と続いていく。学校の成績も書くことがある。数学と物理がAだった、とか。

現在の職場での年収:または、希望の年収。イギリスは年俸制。

3 面接

書類審査で興味がある人がいれば面接の約束をする。

面接は、本人、人事担当者、採用しようとする職場の責任者で行われ、15分ぐらいだ。一次面接を合格した人は二次面接となる。二次面接の後、1週間ぐらいで採用、あるいは不採用の通知が来るのが普通だ。

採用する側は15分でその人物を見ぬかなければならず、本人としては同様に面接を受ける他の人たちより、如何に印象づけられるかが勝負になる。

最初に会社側から、仕事内容、待遇について簡単な説明を行い、次に本人のCVを見ながら、質問していく。聞くのは、

今の仕事を辞めたい理由:しつこく聞く。これは、採用する前から、この人が辞める時のことも考えているからである。"給料が安いから"を理由に挙げる人がいたら、仮に採用したとしても、いつか本人が希望する給料と会社が払う額に差が出たときに、すぐ他の職場を探しはじめるだろうと考えるからである。

上司との接しかた:報告、判断などをどのようにやってきたかを聞く。上司とのコミュニケーション能力は大事だ。採用面接に職場責任者が来ることでも分かるように、4月に一斉に新入社員が入ってくる日本と違って、自分を採用してくれた上司と、採用された側には、選び選ばれたという関係が色濃く現れる。

資格保有状況:より高度の資格を持っているとき、いつどのようにして取得したかを聞く。詳しくは別に述べたいが、高い資格を持っているということは、その人が優秀であるというだけではなく、その人に投資をした人(会社)が存在した事実を物語っている。それだけ将来有望な人材というわけだ。一度チャレンジしたが失敗し、翌年に見事合格できた人の話を今でも覚えている。態度、心構えのことをAttitudeというが、この点を強調できる何か、またはネバーギブアップの精神を証明できる何かがあれば、印象はぐっと強くなるであろう。

会社のイメージ:採用しようとする会社が何をやっている所かぐらいは面接を受ける前に調べておいて欲しいものだ。"会社の事業のことを、何にも知らない"では、本気で就職する気があるのか疑われる。

簡単なテスト:これは私が勝手にはじめたことなので、一般的なイギリスのやり方ではないと思う。その分野では常識と思われる問題を出す。たとえば、車の運転免許を持っている人に、スピードを出すにはアクセルとブレーキのどちらを踏みますか?といったぐらいの質問だ。なぜそんなことを聞くかというと、イギリス人は売り込み上手で、自分の実力より上のように話そうとする。これはある程度仕方が無いことだ。ただ、採用した後で「しまった」と思ってももう遅い。そこで簡単なテストをする。テストには必ずしも正解が得られなくてもいい。ちょっとした困難にぶつかったときの本人の物の考え方、やり方を虚飾無しに見るとこのほうが、ずっと意味がある。


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