国際免許悪用禁止

イギリス(PC)>エッセイ(携帯)車・乗り物>国際免許悪用禁止

 免許センターで即日交付してもらえる、一年間有効の国際運転免許。その起源はジュネーブ条約の一部であって、崇高な思想に基づいている。

 名門の血を引くスイスジュネーブの旧家に生まれたアンリー・デュナン。31才の夏、出張先の北イタリアで遭遇した悲惨な戦争。負傷者を救護する村人の中に飛び込み、敵味方無く世話をした。この経験が、戦地における戦傷病兵の救護及びその救護者の中立性保護を規定する、のちのジュネーブ条約に結びついた。赤十字の設立に奔走したデュナンらに敬意を表して、スイスの国旗の赤と白を入れ替えた赤十字の旗。

 国際免許は本来、負傷者の運搬のために第三国を通る際の便宜を計るためのものだった。いわば赤十字と兄弟の制度。近年、国際免許はもっぱらツーリストの便利な制度として活用されている。ジュネーブ条約に参加しているイギリスでは、日本で取得した国際免許を持っていれば運転できる。(ヨーロッパではドイツとスイスが条約に未加盟。他にウィーン条約による国際免許もある。)

 国際免許には点数制度もあり、取り消し処分もありえるという話しだが、実際には手続きが煩雑なため、よほど悪質でない限り処分されにくい性質がある。

 言い方は悪いが、「最強の免許」なのだ。少しスピードが出過ぎたとか、うっかり限度時間を越えて駐車したような場合、もちろん反則金は支払わねばならないが、国際免許証が減点されることはまず無い。

 以上はあくまで旅行者の話し。

 イギリスに住むとなれば、イギリスの免許を取得する(日本の免許から簡単に書き換えができる)のが当然である。減点になるのがいやだなどという身勝手な考えで、一年間もの間、国際免許のまま書き換えを怠るなどということは、その崇高な精神とは相容れない。私がすぐ書き換えできなかったのは、たまたま忙しかったからだ。

 イギリスから帰国する時、日本の免許が期限切れだったので、イギリスの免許証と、イギリス発行の国際免許(AAですぐに作ってくれる)で、日本で運転しようかとも考えた。出来なくもないようだが、やはり、日本では日本の免許で運転すべきだろう。


イギリスウェールズ目次に戻る KeriMaedaWales