ラブアクチュアリー

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 アクチュアリー(actually)は、「現に、実際に」という意味。英国人は、本当によくこの言葉を使う。「あの映画面白かった?」「面白かったよ、アクチュアリー」「で、誰と見に行ったの?」「ガールフレンドとだよ、アクチュアリー」とこんな感じ。関西で言う「ホンマ」によくにている。

 英国映画「ラブアクチュアリー」は、うまくいく恋、いかぬ恋、不倫や、強い友情、家族愛、そういうのをテーマにした傑作だ。日本では2月14日のバレンタインデーに公開になったが、設定はクリスマス映画。クリスマスに、恋人と、夫婦と、(あるいは一人で)ぜひご覧になることをすすめる。

 これを観ると、現代の英国人が「Love」というものをどうとらえているかがよくわかる。英国の場合、恋人を作るのは簡単ではない。時間をかけるのだ。もちろん一目ぼれはあるのだが、それからなかなか進展しない。そのへんを、ファストフード並のアメリカと比較しながら見せているところが、皮肉っぽくて良い。恋に落ちた英首相の描写も面白い。「アメリカべったりの前政権と違って・・」云々するあたりもなかなかだ。

 始めは全くばらばらにみえる複数の「Love」の話しが、最後には空港(ヒースロー空港)の場面で見事にひとつにつながっていく。空港で待つ人達。まったくの無表情だったのが、待ち人が来るや否や愛情豊かな笑顔に変わっていく。一つ一つの抱擁、キスが、言葉では言い尽くせぬほどの愛で満ちている。愛は、実に到る所に満ち満ちているのだ、というわけで、ラブアクチュアリー(Love actually is all around)。

 ところが、現実に目をやるとどうだ。到るところにあふれているのは愛ではなくて憎悪だ。人は落胆し、ふさぎこみ、殺しあい、傷つけあう。人間の本質は愛であるべきはずだ、どこにでも愛があるはずだ、この映画はそういう事も伝えようとしているのかも知れない。

 アクチュアリー。


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