狂牛病

イギリス(PC)>エッセイ(携帯)衣・食・住>狂牛病

 狂牛病が日本でも確認されたことは、関係者にとっては深刻な問題だ。これを笑い飛ばすのは大変失礼なことでもあり、控えめな表現にしたいが、日本での過剰な反応はいかがなものかと思う。

 狂牛病先進国イギリスでは、牛肉を食べるかどうかは個人のリスクだ。気にしない人は、狂牛病のニュースが流れるたびに安くなる牛肉を、ここぞとばかりに買い込む。一方で初めから菜食主義一本で通す人もいる。

 大抵の人は「これまで何十年と牛肉を食べてきたし、いまさら食べるのを控えたところでしかたがない」と思っているようだ。イギリスでは、骨や脳、ずいなどを取り除いた、食肉に適した部分は安全であるという常識もある。それに現在の社会では、たとえ牛肉を食べなくても、牛と無縁の生活をするのは不可能といって良い。

 狩猟民族であった彼らは、肉食の人、菜食の人とばらばらであることが、突然の環境変化にたえ、種の保存にも役立ってきたのに対し、農耕民族の日本人は、一人の変わり者が全体をダメにしてしまうことを恐れて、均質であることを好む民族になってきたのではないだろうか。

 一つのニュースに、より過敏に、一斉に反応してしまうのは、日本人が生き延びてきた民族の知恵かもしれない。だけど、狂牛病そのものより、とにかく一斉に牛肉を排除してしまおうとする行動の方が、より大きな問題に発展するのではないかとちょっと心配だ。


イギリスウェールズ目次に戻る KeriMaedaWales