英国にお年玉はあるか?

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 英国を含め欧州にはお年玉の習慣は無い。お年玉の習慣があるのは、日本のほかには中国など。中国のお正月は旧暦の正月(旧正月)だが、日本と同じようにポチ袋にお金を入れて渡す習慣がある。

 中国ではお金は幸運のシンボル。例えばお金を拾うということは、幸運を拾うことなのでとても喜ぶべきこと。だからお祝い事があるたびに現金を渡す。日本が中国の影響を受けているのは間違いないだろう。

 英国ではお年玉に限らず、お付き合い全般、冠婚葬祭に現金を渡す習慣は無い。中国のように、お金=幸運というイメージが無いからだ。ビートルズも歌っているように「愛はお金で買えない」。それに、実際のところ英国人はどちらかといえばケチだ。

 では、全くお年玉の習慣が無いかと言えば、近いものはある。クリスマスのプレゼントがそれ。私が聞いた話しでも、二つの説がある。

 一つは聖二クラス(サンタクロースの語源といわれる)が、貧しくて娘を嫁がせてやれない家庭に金貨を投げ入れてやったのがクリスマスプレゼントの始まりだという。投げ入れたコインは、暖炉の火で乾かしていた靴下に入ったのだそうだ。

 もう一つはキリストの生誕を祝いに来たといわれる東方の三賢者(博士)。らくだに乗ってお祝いの品を持ってきたとか。偶然の一致か、中国のお寺の屋根にも、三人の賢者の像が立っている。やはり幸運のシンボルだ。

 欧州には、この時期になると皿に水を入れて待つ習慣も残っているが、これは、らくだに水をあげるため。らくだが止まれば賢者たちも止まる。それだけプレゼントをもらえるチャンスが増えるわけだ。ぜんぜん関係無いけど、日本でその昔、牛車に乗ってくる身分の高い人に立ち寄ってもらうため、家の前に塩を置いたのが、現在の盛り塩の習慣になったというのにも似ている。

 英国に残っている別の習慣では、クリスマスプディングコインを入れる習慣もある。プディングを切り分けて、自分の分にコインが入っていたら願いがかなうという。もっとも英国らしいクリスマスプディングの習慣に、もっとも英国らしくないコイン=幸運の図式が盛りこまれたのはなぜだろうか?


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