助手席にておもてなし

イギリス(PC)>エッセイ(携帯)車・乗り物>助手席にておもてなし

 大切な人は助手席に

 料亭から出てきた大物政治家をカメラが追う。振りきるように乗りこむのはもちろん高級車の後部座席。

 「偉い人」は後部座席という常識は、海外では通用しない。英国では、もてなされるべき人が乗るのは助手席だ。もてなす側、ホストは自らハンドルを握り、隣に乗る主客と話しながら運転するわけ。

 ただし、運転手(chauffeur)付きの車、リムジンの場合は別。運転手付きの場合は後ろの席が上位者の席になる。

 車社会で、会社の重役でも自らハンドルを握り、また、会話がなによりもの接待だと考える英国人だから、座席の位置が日本と違うのも当然だろう。この点、日本はまだ本当の意味での車社会ではないのかもしれない。

 私も接待をする側、される側で運転席、助手席に座った。相手が欧米人のときは座る位置、座ってもらう位置に困ることは無かったが、相手が日本人の時にはおおいに迷った。

 客人が英国の常識に詳しい日本人の場合には助手席に座ってもらい、そうでない場合は後部座席に座ってもらうことにしていた。ところがこれを見分けるのがなかなか難しい。

 笑って許してくれる人ばかりとは限らない。偉い(と思っている)人ほど英国文化を理解していないことが多いのは、本当に残念だ。


イギリスウェールズ目次に戻る KeriMaedaWales