ペスト

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 資料によれば、14世紀から、17世紀にかけてイギリスでペストが大流行したそうだ。

 17世紀にはロンドンの人口の4分の1から3分の1が死亡したというから、それはそれは恐ろしい出来事だったのだろう。貿易船で積み荷と一緒に入ってきてしまったねずみに、原因となるノミが付いていたらしい。

 イギリスだけでなくヨーロッパ中がペストの猛威に見舞われた。時々彼らが見せる(奇妙に思えるほどの)衛生に対する感覚は、この惨劇と無関係ではないのだろう。

 ヨーロッパの観光地を回ってみても、注意してみればその傷あとが見えかくれしていることに気がつく。たとえば、ドイツのロマンチック街道に見られる中世の街並み。この中のいくつかは、ペストで街がほぼ全滅してしまい、誰も住まなくなったためにそのままで残っていたものもあるそうだ。スイスはルツェルンの有名な橋には天井に絵が掛けられている。絵のどこかには死に神が描かれていて、これはペストの象徴であるという話だ。

最後に、イギリスの子供が歌っている歌から。

'Ring-a-ring of rosies, a pocket full of posies, a tishoo, a tishoo,we all fall down.'

 初めはバラか何かの花の歌かと思っていたが、丸く並んだ花はペストのためにできた丸い斑点の事を表現しているそうだ。'a tishoo'の所ではくしゃみをするポーズをとる。くしゃみもまた、病気にかかったことを表現している。最後の'we all fall down.'を訳すとすれば"僕たちみんな死んじゃった"となる。

 調べてみると、この話には関連する話がある。

 歌詞に出てくるポケット一杯の花束だが、当時ながれた、甘い香りが病気を防ぐといううわさと関係があるらしい。

 ロンドンでペストが大流行したのが1665年。翌年の1666年にはロンドンは再び災害に見舞われる。ロンドン大火災だ。ところが、この大火災によって、ペストを運んでいたとされるねずみが大量に死に、ペストの発生が急激に減ったという記録がある。

 また、これら二つの災害で生き残った人たちは、ようやくもとの生活を取り戻すと、外の新鮮な空気を楽しむようになった。お茶は沸騰したお湯を入れて飲む、安全な飲み物として一気に広まった。コーヒーもロンドンに紹介されていはいたが、簡単に淹れられるということで、お茶がより好まれたという。


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