郵便局民営化?

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 イギリスの郵便局は合理的だ。"営業時間"を除いては、およそ考えつく規制というのが無いように見える。

 まず、何と言ってもありがたいのが、封筒や便箋、郵便書簡、のりや、はさみも売っていること。さらに定規やノート、かわいいイラストのキーホルダーなど、一見、郵便と何の関係があるのだろうか?というものも売っている。

 日本政府も、利権が複雑に絡んでわけがわからなくなった"民営化"論争だけじゃなく、こういったわかりやすい、柔軟な運用を検討してもいいんじゃないだろうか?品物を送る時、切手だけじゃなく郵便局にせめて「ぷちぷち」の緩衝材付き封筒ぐらい置いといてよ、と思ったことがあるのは、きっと私だけではないだろう。それとも、日本には文房具店の利権に絡む、文房具族議員なんかがいて、それを妨害しているのだろうか?

 町にひとつあるメインの郵便局、たとえばカーディフで言えばアルバニーロードにある郵便局では、ずらりと並んだ窓口で、さまざまなサービスが受けられる。パスポートや、免許の申請、車検証の発行、テレビライセンスの払い込みなど。

 田舎の郵便局も負けてはいない。郵便集配車が、なんとバスを兼ねている。考えてみれば、どうせ村の中を毎日決まった時間にまわるんだから、ついでに人も運んであげたっていいじゃないか。友人に聞いた話しでは、郵便集配の都合で、ルートが若干変更になることもあるらしい。それでも、住民の大切な足であることに変わりはない。さらに観光地では、レンタサイクルも郵便局の窓口で頼めるそうだ。さすがにこっちは郵便配達に使っている自転車を借りるというわけではないようだが。

 住民に密着しているといえば、全体の9割を占める委託郵便局。雑貨屋が郵便局の窓口業務を兼任してくれる。元が雑貨屋だから、本当に便利。いい気分だ。日本のコンビニも規制緩和で頑張っている。いずれはイギリスの郵便局のように、住民から愛される場所になって欲しいものだ。

 ビクトリア女王の時代、ロンドンの社交場、コーヒーハウスで男たちが談笑している。ある男が「配達距離に応じていちいち値段を変えていたらややこしい。全国一律料金にした方が、結果的に安上がりじゃないか。」という事に気付いた。

 近代郵便制度発祥の地、イギリスでは現在緩やかな民営化が進んでいる。欧州統合による競争激化時代に備えるためだ。一方で利益優先に伴うサービス低下には、住民の厳しい目が注がれている。単に歴史が古いだけでなく、時代とともにサービスの向上、制度の改革を続けてきたからこそ、ロイヤルメール、英国郵便制度は現在でも愛されているわけである。


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