許容時間別楽しみ方

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 あなたは今、旅行でカーディフの駅を降りたところにいる。振り向くと駅舎には"Great Westan Railway"の文字が刻まれているのを目にする。滞在できる時間は限られている。さてそのときあなたはどこにいくべきか?

 大抵の旅行書には筆者の好みが反映されているか、反対に没個性的過ぎて有名ブランドのお店、万人向けのレストランしか紹介していないものがある。

 ここでは、完全に前者のやり方に基づいた紹介をするので、万一この通りに行動した結果あなたの期待にそぐわなかったとしても、日本人の標準的感覚を逸脱していることを自他ともに認める私の好みを非難するのはお門違いというものである。なお、このページは自動的に消滅しないので、見ているディスプレイを今すぐ部屋の外に放り出す必要はない。

10分しか時間がない場合

 駅を出ると、バスの停留所の先のところに左右方向に大きな通りが延びている。そこを右側に走っていくとカーディフシティーセンターの西側、セント・メリー・ストリートだ。どこでもいいから初めに目についたパブに入る。"パイント・ヘイチ・ビー・プリーズ"という。2ポンド50も出せばお釣りをくれるだろう。"ヘイチ・ビーはない"と言われたら"エニー・ビター・アベイラブル?"と聞き、答えた銘柄は何でもいいから"アイル・ハブ・ザ・ファースト・ワン"という。そして出された液体が多少褐色が強くても気にしないで一気に飲み干し、今来た道を走って帰る。"HB"と書いて"ヘイチ・ビー"と読む。イギリスでは決して"エイチ"と発音してはいけない。

半日しか時間がない場合

 セント・メリー・ストリートに出て左側(北側)に向かって歩くと、お城が見えてくる。カーディフ城だ。これも入場料は確か3ポンドぐらいだったと思う。同じ窓口であと1ポンドちょっと出せば石炭で大もうけしたビュート侯爵が改築した建物(ロッジングズ)を見て回るグランド・ツアーに参加できるのだが、なんせあなたには時間がない。窓口で日本人かと聞かれるので、"そうだ"と答えるとロンドンあたりの観光地では当たり前だが、カーディフではここにしかない日本語のパンフレットをくれる。なぜ日本語のパンフレットが置いてあるのか。そこにはウェールズ・石炭・ビュート侯爵・カーディフ城・エネルギー変換・石炭産業衰退・サッチャー首相・日本企業誘致といった一連の物語があるのだが、そういうことを考える間もないままお城の庭の中央にあるノルマン時代のキープを目指す。途中で羽を広げているクジャクに目を配るのを忘れてはいけない。キープの中庭から続く階段を上がると展望台に出る。北はキャッスル・コッホ、石炭の産地であった山々が、東にはシティー・ホールをはじめシティー・センターが、南にはカーディフ・ベイが、西には芝生が広がる公園が見える。カーディフ城の真ん前にお土産屋さんがある。ちょっとお金があれば一本の木から削り出して作ったウェルッシュ・ラブ・スプーンを買い求める。お城から真東の方向にはクイーン・ストリートが続いていて一応名の通ったブランドものなども売っているので、ウィンドウ・ショッピングをしてから駅に戻る。おなかがすいてきたら、途中ファーストフードでもよいが、できれば、フィッシュ・アンド・チップスのスタンドで、"コッド・プリーズ"というと、タラのフライと、ポテト・フライを新聞紙にくるんでくれる。時間が余ればナショナル・ミュージアム・オブ・ウェールズに立ち寄って"マドモアゼル"などを見ても良い。

1日、2日時間が取れる場合

 A470を北に上っていき、M4をくぐってすぐに、右前方の山の中腹に小さなお城が見える。キャッスル・コッホだ。これも廃墟だったものをビュート侯爵が夏の別荘として作り替えたお城である。客間に当たる部屋がなく、もともとは個人的な目的で建てられたようだが、今では市民に開放されている。さらに、北に進むと、A4061への分岐点に来る。"ロンダ渓谷(Rhondda Valley)、左"という標識があるので、左折し、ここからはちょっとややこしいがA4061に添って"Heritage Park"の看板が見えるところまでいく。あとは看板を目印にして走ると、"Pit Head−gear"と呼ばれる炭坑のシャフトが見えてくる。ここでは、地下の坑道(見学用に作られたものではあるが)に入って見学することができる。"ブラック・ゴールド"と呼ばれるほどに石炭で沸いた町の歴史はむしろ地上に残った建物をそのまま利用している展示館で知ることができる。坑道を案内している人は元ここの鉱山で実際に働いていた人たちであり、独特の言い回しに慣れるには時間がかかるが、運よく見学者が少ないときは、昔話に花が咲くことがある。

 実際に使われた坑道を歩いて見たい場合は"Big Pit"と呼ばれるところにいく。A4048沿いの小さな町"Blackwood"にある。規模はこちらのほうが大きい。いすれにしても"Valley"と呼ばれる炭坑地帯で採掘された石炭をカーディフベイから輸出して当時としては世界有数の人口を抱え、この世の春を謳歌していたカーディフの歴史を知っておくと、町並みや人々の暮らしがいっそう興味深いものになると思う。

 お城が見たければ、ケルフィリー城がいい。敷地ではあのウィンザー城に次ぐ英国第2の規模らしい。難攻不落の城と言われ、ここでイングランドの攻撃にウェールズが攻略された歴史を持つ。お城の象徴的な建造物は破壊しようとしたがあまりに強固だったため斜めになったまま放置された塔である。堀に映った斜塔のある風景は何とも絵になる。

 ウェールズの古い農家や、生活に興味があれば、ウェールズ・フォーク・ミュージアムが良い。昔貴族が使っていたお城がある。この中の喫茶ルームではウェルッシュ・ケーキなども楽しめる。

数週間滞在できる場合

 パブを片っ端から回る。シティー・センターだけでなく、できるだけ日本人が行きそうもないところを探す。気に入らなければすぐ違うところに行けば良い。これも一杯ずつの前払い制だからできること。冬ならアームズ・パークでラグビーの試合観戦なんかも良い。

数年から永住まで

釣りざおを買い、犬を飼う。


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