指輪の秘密

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 結婚した人は指輪をつける。それがイギリスの常識だ。既婚者なのに指輪をつけていない人は、"Available"(利用できる、入手できる)である、とみなされるそうだ。日本では、結婚はしていても指輪はしない人も少なくない。

 さて、婚約指輪や結婚指輪は、いつ、どのように始まったのだろうか?実は指輪の起源には、いろんな説があって、よくわかっていない。一説には、有史以前、捕まえた"花嫁"が逃げ出さないように編んだ紐でつないでいたものの名残だという。最初は両手、両足を、しばらくして逃げないようであれば、両手だけ縛っていた。純粋で深遠な恋愛より、現実的な種の保存が重要であった時代であろうか。

 古代ローマでは、すで永遠と輪廻の象徴として結婚指輪をする習慣が始まっていたようだ。最初は鍵の模様が入っていたという。夫の心を開く鍵だという説もあれば、夫の財産の半分は妻の物、という象徴だったという説もある。ケルト文化では、相手の髪の毛で編んだ指輪、または腕輪をしていたらしい。

 指輪の起源はほかにもあるのかもしれない。始まりがわからないほど古い習慣が、現在でも生き残っているというのは、すごいことだ。

 イギリスで指輪を外す、あるいは最初からつけないという行為は、その呪縛から自らを解き放って、"Available"な状況であるという意思表示となるわけだ。幸いにして、私は指輪を外さねばならない状況におちいったことはないが、指輪ひとつで明確なメッセージを伝えうる、という事実は、知っておいて損はないであろう。


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