ルールの決め方破り方

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 どんな世界にもだます人、だまされる人はいる。イギリスだってそうだ。だが、ルールを破ることへの抵抗は、とても強い。イギリス人と日本人とでは、ルール、決まり事に対する感覚がずいぶん違っている

 日本人の特徴として、二つの面がある。ルールを破るのに抵抗が少ないということと、時代遅れだとわかっていてもルールを変えないこと。最近の事件でいうと、耐震強度偽装事件が前者の例だし、フィギュアスケートの選考が後者の例。

 日本人には「ばれなきゃ良い」という考えがある。お墨付きさえあれば、あとは何やっても良いのだ。自分の「悪事」がばれても、それを認めたやつが悪い、と開き直る。そのくせ時代遅れだとわかっていてもルールは変えない。オリンピックの選考基準の最終目標は、いかに多くのメダルをとれるか、であるはずなのにルールがあるから認めない。結果として日本にとって不本意な結果に終わったとしても、「ルールどおり」にしたことが免罪符になるのだ。

 イギリスでちょっとした「ヒーロー物語」があった。イギリスのガソリンスタンド(ペトロールステーション)はいわゆるセルフ方式。自分でガソリンをいれて、レジに行き、何番のポンプから給油したかを告げると、はい、何リットルでいくらです、と言ってくれる。つまり、先に給油するわけだから、ずるをしようとすれば「入れ逃げ」もできなくはない。同僚の一人がガソリンを入れていたとき、若い人たち数人が乗った車が「入れ逃げ」しようとした。それを見つけた彼は、車の前に立ちはだかり、逃げるのをとめたのだ。轢かれなくてよかったね、とは思ったが、なかなかできることではない。イギリスではルールを守らない者への対応はとても厳しい。

 一方でルールは常に見なおしをされる。「決まりは変えられません」などということはなく、決まり事には、それ自身を改定するための手段がはっきり明記されている。イギリス人にとって、決まり事は、「フェアである」ことを維持するための最小の合意内容にすぎない。問題が生じたら(迅速とは言えないが)ルールを改定しようという動きになる。これに対し、封建制度からいまだに抜けられない日本人にとって、決まり事とは支配者からうやうやしくいただくものであり、それを変えるなどとはおそれおおいことなのだ。それでもルールどおりできない事態になると、その分野の最高責任者というのがいて、その人にお伺いをたてて協議によって決めようとするのが日本人。だがこれは、フェアであることを第一にしているイギリス人には、不公平極まりないやり方に映る。

 もっとも、これらが従順で礼儀正しい日本人の特徴のひとつになっている、とも言えるのだが。。


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